ナノカーボン材料の作製

鉛筆の芯を細かくしていくと炭素原子1層分の厚さになります。この1枚の層をグラフェンといいます。グラフェンを利用すると,電池,キャパシタ,トランジスタなどの超高性能化を実現できるといわれていますが,作製方法が難しく工業的な利用には課題が山積しています。本研究室では,グラファイトをアノードにして電気化学的な酸化・インターカレーションを利用してグラファイトを剥離する手法を検討しています。様々な電解手法や電解液を用いてグラファイトを剥離できることがわかっています。電気を駆動力としているため,クリーンかつ短時間のプロセスで剥離を完了できることが,電気化学的手法の利点です。右の図はグラファイト粉末を特殊な電解方法を用いて剥離した結果です。左の写真が処理前のグラファイト粒子で,右の写真が処理後の試料の写真です。塊状のグラファイトが見事に二次元化していることがわかります。