研究内容

研究室の説明

 私たちの研究室では、主に天然から「宝探し」を行っています。私達が「宝」と考えているものは、学術的に価値のある化合物です。学術的に価値のある化合物とは、

・医薬品の候補になるかも知れない化合物
・生命現象の理解に繋がるかも知れない化合物
・科学の発展に寄与するかも知れない化合物

等です。全てに「かも知れない」が付いていますが、歴史的にそのような化合物の中から私たちの生活に貢献する多くの化合物が見つかってきています。私たちもそのような化合物を見つけることを目指して日々、研究しています。具体的には、独自のフィールドワーク等で採集した生き物から上記のような化合物を探索します。見つけ出した化合物は構造式が未解明なので、色々な分析機器を駆使することで構造式を明らかにします。さらには、生物活性発現機構の分子レベルでの解明に取り組み、応用に繋がる研究を進めています。これらの作業は複雑なパズルや謎解きにも似ており、新しい構造やこれまでに知られていない働きを持つ化合物を見つけ出したときは、何よりも喜びを感じることができます。一方、そのような化合物を見つけ出す過程で身に付いていく知識や実験技術は、将来、社会で活躍される際に間違いなく役立つものとなります。このように本研究室では、自然科学や生き物への興味を追求し理解を深められるとともに、その過程で身に付けた知識や技術を世の中に役立てられる魅力的な研究を展開できます。自然界の生命現象に興味があり、かつ、研究を通じて身に付けた技術を将来、社会に役立てて行きたいと考えている人は是非一緒に研究しましょう!


卒業論文のテーマ

・海洋生物・昆虫由来の新規生物活性物質の探索研究
・単離した新規生物活性物質の作用メカニズムの解明研究
・新規生物活性発現機構解明に向けたケミカルバイオロジー研究
 etc.

研究室の行事

 研究面では全員に「面白い」研究をしてもらうことを最重視しています。また、週1回行っているゼミでは実験報告会と雑誌会を交互に開催し、最先端の専門知識について勉強すると共に、プレゼンテーション・ディスカッション能力等を鍛えてもらっています。さらには研究活動の一環として、千葉県や沖縄県でのフィールドワークや、研究室合宿等のイベントも頻繁に行っています。

 

研究対象

海洋生物

 千葉県や沖縄県の海岸でのフィールドワークで採集した緑藻、軟体サンゴ、シアノバクテリア等の海洋生物を対象に新規生物活性物質を探索しています。これまでにがん細胞の免疫寛容を抑制する可能性を持つ新規キヌレニン産生阻害剤や新規LPS阻害剤を見い出しています。

2023年05月13日

昆虫

 共同研究させていただいている企業様や本学みつばちプロジェクトのご協力のもと、採集していただいたハチ等の昆虫を対象に生物活性物質を探索しています。これまでに、キイロスズメバチ、オオスズメバチ抽出物より新規キチナーゼ阻害剤や新規細胞保護活性物質を発見しています。

2023年05月13日

植物

 共同研究させていただいている企業様よりご供与いただいた植物抽出液を対象に生物活性物質を探索しています。これまでに、新規LPS阻害活性物質や栄養飢餓選択的細胞死誘導剤を発見しています。

2023年05月13日