西武池袋線池袋駅構内にある本屋は侮れない。むかしトイレだったところを改装したもので、雑誌や新刊書を並べた狭い駅売店ながら、雑誌コーナーには現代思想やインパクションまで取り揃えている。
前期の成績発表の日。成績表を受け取った幾人もの学生に、今日は「不可をつけた教師」として想起されたに違いないと考えると多少憂鬱ではある。
数は人を圧倒する。前期に成績をつけた学生の人数は3桁の後半、4桁に近い数にのぼる。 一人一人がそれぞれいくばくかのエネルギーを注いだ試験答案やレポートの束を見ていると押し潰されるような気分になる。 また今学期もこの「数」が降りかかってくるのかと思うと、気が重くもなろう。(昨日の続きでした。)
萩尾望都「マージナル」を読む。生殖を代替させる未来社会というのはよくあるSF的状況だが、「男しかいない世界」という設定には驚かされる。 命を代々受け継ぐための社会システムの可能性はいろいろありうるという想像力のたまものだろうが、たいていディストピア(悲観的未来像)であってユートピア(夢の世界)でないのはどうしてだろう。自然な(と呼ばれる)生殖に私たちが価値を見いだしているからなのだろうか。そうでもないと思うのだが。
図書新聞2502号(9/23)に「科学時評」が出ました。図書新聞は、図書館と名のつく施設にはたいていあるはず、と人に言ってから工学院にはないことに気づいたということもあった。
学生はまだ夏休み気分。もちろん教員もだ。混雑しているのは、今日が今学期の初登校という学生が成績表を受け取る「特設会場」。
週間東洋経済の特集「本当に強い大学」で、工学院は健全な経営の学校とされる。でも、赤字の大学多いんだね、びっくり。
応用化学科の先生の部屋を見学させてもらった。といっても見たいから見せてと勝手に押しかけたわけではなく、ちょっとした仕事の一つだ。他の部屋を見てもそう思うのだが、えっ新宿西口のビル内にこんなところがあるとは、というのが工学部の研究室。 大きな実験装置があり、実験器具や書類も大量にある。学生たちがたくさんいて、実験データをとっていたり、部屋のすぐ外で食事していたり、部屋に数台はあるパソコンに向かったりしている(中にはソリティアをしている輩もいたが)。文系の人間の研究室はまだオフィスっぽいので、比べるとずいぶん文化的な差を感じる。
申込みから2週間でフレッツアイが開通したという話を某MLで読んだ。別の地域のことだから仕方がないが、うちはもう50日だぞ。おまけに「こうすればあなたの電話代はもっと安くなる」というようなフレッツアイを薦めるDMまで送ってくる親切さだ。NTT東日本のイジワル!
気のせいかいつもより静かなレンタルビデオショップで借りてきた「ユメノ銀河」。主演男優にほとんどセリフを与えていない。肥大した自意識と想像力に飲み込まれる恐怖のような抽象的なもの(原作は夢野久作)をよく映像化できたものだと思う。
自分の書いたものを読み返すのはとても苦痛。現在「校正作業」つまり「これから掲載される予定の論文の誤植探し」をしている。しかも生物学史研究と工学院大学論叢の二つもだ。やっぱり、新しいことを書いているときが一番いい。
新宿郵便局はなかなかのものだ。うちの近所の小さな郵便局は「冊子小包に簡易書留をつける」手順がわからず、どこかに電話をかけていた。しかし、新宿ではそんなことはない。局員の仕事はてきぱきしているし、24時間オープンだし、学校のそばだし、作業場もあるし、記念切手も買えるぞ。
サーバの名前「ns」の由来を初めて知らされた。"not shinjuku"の略だそうだ。新宿校舎ではなく八王子校舎に存在することはたしかだが、うーん、本当だろうか。
新宿駅と都庁を結ぶ「動く歩道」の稼働時間が変更になった。ちょっと前まで、午前は新宿駅から都庁に、休憩をはさんで午後はその逆に動いていたのだが、今は夕方まで都庁行の運転しかしない。 どうしたんだろう。なお、この「動く歩道」は、2つの理由から使わないことが推奨されている。(私も使わないので時間変更にしばらく気づかなかった。)1つの理由は建設の経緯、もう一つは健康上の問題だ。
国勢調査が行われる。結果は集計して様々な施策に反映されるというが、住民票をもとにやるのと有意な違いがあるのかどうか前から疑問に思っている。たしかに独り暮らしの若者など、住民票を田舎において上京している人もいるだろう。しかし、かれらは非定住民であり、継続的な施策がそもそも困難な人々だ。また、最も重要な高齢者や子供の数は住民票でも大差あるまい。かりに、何らかの事情で差がある場合でも、簡単なサンプル調査で住民票の値を補正することが可能なはずで、とにかく全部数えるということに意味があるとは思えない。細かい項目まで集計して分析すれば社会学的に面白い結果は出るかも知れないとは思うし、長年集計され続けたデータの数値列そのものにある種の魅惑を感じるという心理も理解できないわけではないのだが。
またMicrosoft Wordのファイルだあ。他の人の論文を読んでチェックするという学会の雑誌編集の仕事のためには、ちゃんとWordを使える環境がないといけないんだな。
何とか最初の週の「教育義務」を果たした。
情報工学専攻の大学院生の日記の頁に、この頁へのリンクが。4つ下のフロア(23F)にはプレステがあるのか。いいな。
筑波に日帰りで行ってきました。農水省のコンセンサス会議準備会合です。一応自分の分の義務を果たしてきたというところです。会議の意味、科学論の役割、自分の分担などで、いろいろ考えさせられるところはありました。そのうちまた書きますが、今は18人の市民パネラーがどんな見解をまとめるのかを見ていようと思います。
筑波は広々としていいな。街道沿いの飲食店は大きいし、研究施設などのビルは高くないし、道は広いし、車は時速80kmがあたりまえだ。そのうえ、新宿と違って、本屋、パソコンショップ、安い飯屋、怪しい飲み屋、その他よくわからないけど入ってみたくなるところのような誘惑はなさそう。何だ、つまらないぞ。
日曜日の学校は静かだ。それに対して学校の外はとても賑やか。
夕立だ。まだ夏なのだろうか。たしかに蒸し暑い。
国勢調査のポスターをよく見かける。宣伝にもお金をかけているなあ。
休み時間に八王子校舎の教室でパラパラの練習が行われているとの報告あり。世間の流行は多少の時間差をおいてこのキャンパスにも届いているらしい。教典の各々の節(曲) に対して、単一の権威(某クラブ)から独占的に与えられる正しい教義解釈(踊り方)が存在し、しかもその解釈が信仰者(踊り手)の方から熱狂的に追求される、すなわち個人の身体が「主体」的に規律に合わせて鍛練されていくという「生=権力」のあり方をここにパラパラファシズムと命名しよう。
北海道大学の科学史の大学院が今年は二次募集をするらしいよ。大学院の試験は、「理系」は夏、文系は「冬」というのが普通だ。 北大の科学史の大学院は「理学」系に分類されているので、通常の募集はすでに終わったが、「文系」の院試の時期に合わせた募集も行うということになる。ちなみに、理系は企業就職との併願が多い(文系はそうでもない)というのが、理系の大学院入試の早い理由だと思っていたが、就職活動時期がこんなに早くなった今となっては、夏にはもう学生は決まった企業に入ろうという気になっているので人材確保という面で大学院は出遅れてしまう。
「サラリーマン」の数が減少しているらしい。今日のニュースで言っていた。リストラで失業する人やフリーターに流れる新卒者が多いことが理由だろう。
たしかに現在の日本の「正社員」が引き受けなければならない様々な不条理を考えると、すでに「正社員」であることの甘い蜜を味わったことがあるのならともかく、そんなにまでして働きたくないと思う若い人々が出てきてもおかしくはない。(大学の先生も非常勤講師と専任ではたいへんな違いがある。)
「生活していけるのか」というが、「??年前レベルの普通の生活」で良ければフリーターでもやっていけるはず。そして「物質的な豊かさ」にはそんなに魅力が感じられないとしたら、どうして「正社員」になる必要があろう。
妥協して「家族に一人正社員」という手もありだろう。他の人は扶養家族になって、その人にぶら下がりつつ支える。正社員がつねに「夫」である必要はない。夫婦で先攻後攻を決めて20年ずつ働いてもいいね。
これからは労働条件が多様化していくに違いない。
パートタイマーの増加は決して望ましいことではなく、本来は専従者の労働条件が改善されるべきだろう。しかし、もしそうならずサラリーマンが酷使され続けるなら、誰もサラリーマンなんかになりたくない「サラリーマンが特殊である時代」が来るかも知れない。そのときは、「えっ、就職活動なんてするの?、エリートでお金持ち志向なんだね!」てな感じで、サラリー(ウー)マンになろうとする学生の方が珍しがられるに違いない。そんな時代が近づいている気がしないではない。(それとも、就職に対するインセンティブの低い学生ばかりが私の周りに集まるのだろうか。)
テレビ会議のデモを昨日見た。これで八王子と新宿を結んで会議ができるということらしい。カメラとマイクを各校舎で用意し、両校舎間の回線を使って動画像をやり取りするというもの。カメラはマイクと連動して発言者の方を向くらしいが、日本的な会議では「黙って聞いている重要人物の表情」が大切な情報源となるので、ソフト面で多少変更を施すか、あるいは常時学長監視用別モニタをサブで用意する必要があろう。
西口都庁方面行き地下道で先日お世話になった農水省の人を見かけた。そういえば大学の隣の京王プラザホテルで「バイオジャパン」とかいうイベントをやっているらしい。「バイオテクノロジーで地球もあなたも健康美人」とか「美人トンネル開通」といった主婦向け(?)キャッチコピーがとても苦しい。(いったいどこの代理店に頼んだんだ?)百年後の科学史家になってこのお祭りを「バイオテクノロジー全盛なりし日の一コマ」として描いてみたいものだ。でも、米本昌平氏も出席するバイオテクノロジーの社会的受容(public acceptance)に関するシンポジウムなんかは面白そう。(もう終わったけどね。)
「ノースイ」とか「ツーサン」とか「カギチョ」なんて発音ができるようになれば、もうあなたも一人前、わが国の未来を背負って立つ「霞が関人」だ。
夜9時。2部授業の終了時、他の学生はすべて席を立ち帰路についているのに、いまだ一人で机にうつ伏したままの学生が。授業中から寝ているのはわかっていたが、ここまで深い眠りだったとは。机をトントンと叩いても目覚めないので仕方なく肩を叩いた。生命反応あり。生きてて良かった。拠れたネクタイと眠たそうな目が昼間の疲れを物語っていた。あわてて片付けを始めたが、私も研究室に戻らなければならない。「教室の電気消しといてね。」
国勢調査は、皇族も対象になるそうだ。電話で総務庁に「名字がない人はどうするんでしょうか?」というような質問が来ているのかも知れない。あっ、外国人にいるかも。
ロシア語の次はフランス語だ。といっても論文自体は日本語なんだけど、ロシア/フランスについて書かれたものを読んだ/読んでいる。ロシア語のときには、紆余曲折を経てキリル文字(ロシア文字)の「ゲー」(この文字の発音はほとんどの場合[g]だが時に[v]になる)をローマ字化(ちょうど日本語の仮名がローマ字に対応するようにキリル文字もローマ字に対応する)すると発音にかかわらず「g」であることを学んだ。(ロシア語に詳しい人には当たり前のことかも知れないが。)フランス語も勉強になりそうだ。
風邪です。たぶん。レスポンスが遅いと思っているみなさま、ごめんなさい。