DIARY 2000年9月前半



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9月1日(金)

1月のあいだ「日記」を書き続けた。これはいつまで続くのだろう。授業が始まっても続くかどうか。お楽しみに。あと2週間ほどで授業です。腰痛変わらず。

委員会の仕事、組合引き継ぎの日程決定、追試日程発表ともうなんだかもう学校が始まってしまったようだ。


9月2日(土)

暑い。練馬では38度との報道があったが、あれはどこで測定しているんだろう。「練馬」の名前は都内の高い気温の地域としてよく出てくるような気がするけど、 体感的には都心の方が暑いし、少なくとも畑の続く奥練馬(本当はこんな言葉はない)はヒートアイランド現象とも無縁のはずだ。「練馬駅」や「練馬区役所」は、練馬区の入り口にあたる都心よりのすみっこにあるので、 そこを代表にして欲しくはないものだ、というのが元練馬区民としての偽らざる見解だ。ということで

少し涼しくなってから学校に行った。授業期間中は朝タイプなので同僚が意外な顔をする。しかし、昨夜もずっとOECDのサイトなどを見ていて遅くなった。それもこれもフレッツアイのせい?(ここを参照。)

腰痛は少し良くなった。でも肩が痛い。「疾患 (disorder)」という総量(その値は年齢の増加関数で生活態度にも左右される)の決まった存在を体の中で移動させているだけのような。それもまた治療と呼ぶのだろうか。


9月3日(日)

武谷三男氏(知らない人はこちら)の最後(かな?)の本は、どうみても「トンデモ」の体裁だ。 たしかに、青春出版社だし。中身も、これは裏付けがあんまりというのが。後進のためのテーマ集だと思いたい。

図書新聞の原稿を書いたが遅くなった上長い。どうしよう。


9月4日(月)

秘書の給与の流用で代議士逮捕。しかしリサーチアシスタント(大学院生が学内でやれるアルバイトで教官の研究補助)の給与を別の経費に流用する国立大学(院)も同じ罪になるな。早くやめた方がいい。

カレーのレシピに、すりおろしたタマネギを「タヌキ色」になるまで炒めるとあった。いわゆる「キツネ色」と比べて多少濃い色を意味しているらしい。ただし、中にはこういうのもいる。また、北海道のタヌキは別種だ。さらに、置物は本物より濃いような気もする。本当はどんな色だろう。 確かに典型的な色以外は伝達が難しい。典型的な色の名まえでも人によって思い浮かべる色は違うようだ。そこで、授業で講談社学術文庫を紹介するとき、青い服を着てくる学生は起立を求められることになる。注意しよう。


9月5日(火)

組合の新しい委員同士で連絡法を話し合ったが、私を除く教員3人のうち2人は、あまりメールを見ないとのこと。大学の事務職員の方が仕事で活用しているようだ。いままで職員からの連絡はどうして文書が多いんだろう(メールの方が楽なのに)と思っていたので、少し謎が解けた。工学部教員のメール使用頻度は意外に低い?

新宿西口の地下街で犬の散歩を目撃。雨が降ってるからね。


9月6日(水)

生命倫理学者として有名で、そのうえ日本で研究していることでも知られているメイサーさんが、 これまたそれこそ有名なイギリスの医学雑誌Lancetのインタビューに答えていた。 印象的だったのは、Do you believe there is an afterlife?(死後の世界の存在を信じますか?)という質問に一言「Yes」と解答していたところだ。 唯物論者(広い意味では自分もそれに入ると思う)の考える倫理とはひょっとすると根本的なところで異なっているのではないかという気になる。 日本に生命倫理学を導入した倫理学者は、比較的「世俗的」と思われている研究者だった(ただし狭い意味での「倫理学者」だけが生命倫理学を導入したわけではない)ことを思い出すとなおさら気になる。

失礼な扱いを受けたので大事な会議をボイコットするなどということが許される国が、世界屈指の「強国」でなくて何だろう。なにしろ、アメリカ型合理主義に対抗できる「論理」をもつ国家勢力は、現在他に存在しないと言ってよいほどだ。


9月7日(木)

毎日日記を更新しているなんて暇なんでしょうかというメールが、かつて受験指導をしていた、現在は大学4年生から来た。大学院受験生が勉強のあいまにメールを書いて気を紛らしているのと同じかも知れないよ。

童謡「森のくまさん」の英語版らしきものを見た。「鉄砲も持ってへんのに、なんで逃げへんのや」と言いながら後を追ってくる熊の陰険さとか、敷物になった熊と再会するというオチとか、話者である「私」の年齢も性別も定かでないところとか、が発見だった。


9月9日(土)

田舎でお葬式に出てきました。昨日更新が途切れたのはそのためです。

牧師さんは、また会いましょうねと声をかけて亡骸を見送りました。


9月10日(日)

授業がもうすぐ始まる。始まってもすくにはなかなか「先生モード」に戻れない。非自然体で教師を演じているつもりはないが、それでも教壇に立ったときにとらなければならない固有の振る舞い方に馴染むのに時間がかかる。何しろ2ヶ月間も授業がなかったのだから。

資料を作成しています。あしたまで。これの資料です。


9月11日(月)

「科目等履修生」の書類がくる。これは、ふつうに大学卒業を目指すのではない学生が受講するということだ。今回は、後期担当科目の1つが「学芸員」資格取得のための選択必修科目になっているためのよう。「科学史」という学問も、資格と無縁ではなかった。 資格関係を含め、大学教育の制度は学問の栄枯盛衰を左右する。「法学」と「哲学」が消えないのは、さらにポピュラーな「教員」という資格取得に必要だからと言われてきた。第二外国語が必修でなくなってからのドイツ語、フランス語教員の悲劇は良く知られるところだ。 逆に、あまり知られていないが、「科目等履修生」になると、限定的ながら、ちゃんと卒業資格を目指して通うよりも安く授業を受けることが可能だ。新宿で二部を開講している工学院などもっと科目聴講生がいても良いはず。カルチャースクールの前で宣伝ビラを撒くとよいだろう。

アクセスログによれば、今日午後私のページにモンサント社からアクセスがあったようだ。ちなみに、monsanto.co.jpではなくmonsanto.comだった。


9月12日(火)

文字化け事故が周囲で多発。添付ファイルが同じWindowsのソフトで開けない(ちなみに送信側のソフトはShuriken、受信側はEudora)のが一つ。それから、Outlook Expressで送ったソフトの本文が他のWindowsのメーラで読めないというのも。 後者に関しては、ある人によれば「マイクロソフト社が有力競合製品排除のためにとる独自の戦略的仕様」との説も。よくわからないけど、メールはあてにならないという思いがけっこう強まる。

「萌えの朱雀」(1997)をVTRで見た。演技と呼べるようなものはないし、ストーリー性も希薄だけど、撮影の対象にどんなふうに太陽光をあてるかということにものすごく凝っているのはよくわかった。きれいだ。

ソニーが厳しくチェックを入れている禁断のプレイステーションソフト中古販売をしている近所の店では、ファイナルファンタジーIXがタブつきぎみだった。ちなみに4800円。 なお、この店は新品PSソフトが入荷停止になっている。いかにもソニーによる懲罰と見える。しかし、それでも中古を売るのは、新品を売るより中古を売るほうが利益があがるからなのか?


9月13日(水)

マクドナルドで食事した。たしかにモスの方が好きだが、南米の森林を破壊し世界の味覚の統一を図るマックには決して入らないというほど私は頑固ではない。 容器や包装紙などがオリンピックモードだった。描かれていた3種の動物のうちの2つは、カモノハシとハリモグラではないかと推測できたが、残りの鳥類がよくわからない。

「今日はセカンドインパクトの日だ」と良い大人が騒いでいるのはどうかと思うぞ。 (「セカンドインパクト」が不明な人は、最寄りのアニメ通に説明を受けると良い。ただしあまり語り過ぎない人を選ぶこと。)

所沢の「彩の国 古本まつり」に寄ってエンデの「遺産相続ゲーム」(ネットダイレクトで見る限り絶版)他をゲット。


9月14日(木)

「まだ俺は少年だぞラッキー」などと考えて犯罪を犯す少年は、たとえ知識は豊富だとしても、十分に幼いと思う。「少年法を逆手にとる」ような少年はもう十分大人だから法的にも成人扱いできる、なんて論理は変だ。

昨日の謎の鳥は「ワライカワセミ」と判明。カンガルーやコアラでないだけ工夫があると認めよう。

「噂の真相」十月号で、著名な物理学者は「女性論」者たちから受けた抗議に納得しかねる気持を表出していた。どこが差別なのかわからないということらしい。たしかに、明らかにセンスに欠ける相手にも理解を求めるように書くというスタイルは、フェミニストに足りないものかも知れない。


9月15日(金)

開会といってもコンセンサス会議のこと。全国から集まった老若男女18人から、意外なの、鋭いの、ちょっと的外れだけど面白いの、とどんどん質問が飛ぶ。説明に立たされる来週は苦しみそうだ。

i-modeで(休講など)学生への情報提供をしようとしているとか、すでにしているという大学があるらしいが、そんなに学生の加入携帯電話サービスを片寄らせたいのだろうか。



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