DIARY 2002年1月前半



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1月1日(火)

恭賀新年。年賀状を下さった方へ。今日はまだ年賀状が着いていないかも知れません。遅れて申しわけありません。年賀メールを下さった方へ。すべて返信しました。この頁をご覧になっているすべての方へ。昨年はほとんどサイトの更新がありませんでしたが、今年は充実させようかなと思っています。よろしくお願いします。

お年玉くじ付き年賀状の当選割合は、1等の場合100万本に2本だそうだ。こちらを参照。私はだいたい100枚くらいやりとりするので、1万回正月を迎えれば2回くらいは当たる計算になる。(ちなみに参照頁はshtmになっているが、何の仕掛けもないように見える。)

朝日新聞(ここ)によれば、「女性天皇に賛成」の日本人が83%、「男性限定」が11%だそうだ。天皇制そのものに反対というのは、どう見積もっても残りの6%以下ということだろうか。それとも、人は二者択一の問を与えられると、その選択肢の中で解答してしまうのだろうか。


1月2日(水)

昨年の交通事故死者数は9000人を割ったそうだ。警視庁によれば「取り締まりや指導の強化」が原因だということらしいが、年毎の取り締まり件数と死亡者数の間には本当に確かな相関があるのだろうか。取り締まりというのはいわゆる「ネズミ取り」のことを言うのだとしたら、本当にそれに効果があるのかどうか疑問を抱く人がいても不思議ではない。(1) 歩行者の通路から自動車を完全に隔離する、(2)自動車のボディを強固にしてちょっとやそっとでは壊れなくする、(3)自動二輪車の公道走行を禁止するの3つで交通事故死者数は激減すると思うがどうだろうか。コストがかかって割に合わない? 人命の損失をいくらで計算しているのだろうか。

日経連の会長は、日本社会では失業による自殺者が多いので、失業率が上がるようにすべきではないと述べていたようだが、失業しても自殺しなくて済むようにする方が重要なのではないかと思う。それとも、会長は失業ゼロの社会をもくろむ隠れ社会主義者?


1月3日(木)

最新の住所がわからなくて出せなかった人へ、また意外にも年賀状をくれた人への返信などを書く。

フジモリ元ペルー大統領が拓殖大学で教壇に立つそうだ。日本の住所はまだ「三浦様方」なのかな。そうだ、親族の都合で海外教育を受けた人なら帰国生入試を受けることができるぞ。大統領が今から大学生というわけにもいかないか。

焼き肉屋さんに強盗に入るなんて、何を考えているんだか。外国人風というが、よほど日本の事情に疎いに違いない。

クローンのブタは、またここの会社だそうだ。本当に異種移植を社会が受容するのか、よくわからない。


1月4日(金)

大学に行って最初に顔を合わせた人は、年賀状をもらったのに唯一まだ返事を出していない人だったりする。

近代って何ですかと質問に来た学生に、廣松渉の『<近代の超克>論』と竹内啓『近代合理主義の光と影』を貸した。そういえば同じ建築学科の学生で、以前ミシェル・フーコーの本を借りていった学生もいた。工学部において、思想系の知識需要が一定程度存在するということがわかってきた。

大学の隣のビルのM善書店で手帳を購入。昨年は組合執行委員をしていた関係上「代々木のあかつき印刷」の手帳が手に入ったので愛用していたが、今年はどこからも気に入ったものが手に入らなかったため、自分で購入。カレンダーは余っているのだが。

同書店で限定版のエヴァンゲリオンのフィギュア付きコミックスが発売された際、入荷当日あっという間に売り切れとなったが、事情通で目撃者のS氏によれば、買っていったのはどうやらすべて隣のビルからやってきた若者たちのようであったということだ。

ドリーちゃん(哺乳類最初の確認された体細胞クローン個体)が病気らしい。やはり体細胞クローンであることの悪影響がどこかに出ているのではないかと疑われているそうだ。昨日の発表は、この発表とつりあいをとるために時期を合わせて行われたような気がする。タイミングが良すぎるよ!


1月5日(土)

最近気に入ったネーミングはねこ主任である。ちゃんと登録商標になっている。

ほぼ自宅で書評と自分の原稿を気にしながらすごす。


1月6日(日)

今年の年賀状には「戦争」という文字がたくさん見られた。こんなことは今までなかったように思う。

NHKで深夜放映していた松本清張のドラマを見てしまった。それもあって、かなり生活時間帯がおかしくなっている。番組を見て一番気になったのは、解説に出てきた森村誠一とアナウンサーの話が全然かみ合っていなかったこと(打ち合わせをしているのか?)、それに森村氏が痩せていて体調も良くなさそうだったことだ。


1月7日(月)

文庫版「ドラえもん」に「恋愛編」というのがあるのでちょっと驚いたが、しずかちゃんとのび太に関係するエピソードを集めたものだった。

いつのまにかCNN日本語版が閉鎖されてしまった。ネット配信は拡大するばかりだと思っていたのだが、そうでもないらしい。翻訳コストもかかるのことが原因か? 当然アメリカのサイトはちゃんと続いている。

今年40歳の誕生日を迎える友人から来た年賀メールに「モーオタ(モーニング娘。オタク)」を始めたこと、とりわけ年端もいかないKのファンであることが書かれてあったので、Kの父親が何歳であるか知っているのかと返信したところ、32か33のはずだという自慢げな調子の答が直ちに帰ってきた。

文章を書き終わるということがどういうことなのかわからなくなってきた。どこまでいっても終わらない気がする。諦めるということか。次に書くことを見つけるということか。飽きが来るということか。それとも、締め切りが来るということなのか。たぶんそうなんだろう。


1月8日(火)

27文字のメールアカウントを持っているのは勤労学生のK氏。しかも文字の並びが汚いぞ。一度で間違いなく入力できるとは思えない。復活の呪文じゃないんだから。聞いてみると迷惑メールが来ないようにする目的もあって、もともと携帯の番号だったのを変更したものらしい。


1月9日(水)

最初の試験は、夜7時40分から9時まで。アルバイトの大学院生さんには申しわけないが、私の試験はいつも上限時間いっぱいだ。教務課の人も、最後まで戻ってこない私を待ってくれていた。学生の受験率は7割くらい。少ないので驚いた。出席者とそんなに変わらない。

学生証の忘れ物多すぎるよ。

『生物学史研究』68号は追い込み中。


1月10日(木)

センター試験監督について1時間にわたる説明を受け、さらに30分以上試験中に発生しうるかもしれない様々な事態の想定について討論を続けるといった大変まじめな会議をやる学校は、大学入試センターに表彰されたって良いと思う。

Excelの市販マニュアルというものを、人に教えるにあたって初めて目にした。昔Win 3.1時代にソフトについてきた分厚く味気ないものなら手にしたことがあったのだが、それ以降画面上のヘルプでしか操作の仕方を学んで来なかったことになる。分厚いマニュアルは懐かしいが、たぶん捨てたと思う。

ISSNの間違いを校正で発見。背筋が冷たくなった一瞬。


1月11日(金)

実際はたいした情報はないのだが、けっこう検索でヒットするらしく、この時期にはいるとレポートを書く大学生と見られるアクセスが増えている。たしか去年もそうだった。

試験答案とレポートと原稿の山をどのように片づけるか。これが問題だ。来年度のシラバスの原稿もあるぞ。

「障害者には生まれない権利がある」(のに生まれてしまったので賠償しろ)という障害者自身による訴えを棄却するフランスの判決はこちら(英語)。誰か詳しく紹介して欲しいものだ。


1月12日(土)

春のような日差しの昼下がり。学年の終わりの近づく大学生を見ていて、ふと自分は歳を取ったと感じた。毎年、もう何度もこういった風景を見てきた。それに対して、かれらは数回しかこういった風景を見ることはない。大学のようなところで教える立場になってもう十年になる。卒業生を送ったり、新学年を迎える緊張感と新鮮さが薄れてきたような気がする。何だか変な限界を感じてしまった。

明日の夜は日記を更新しません。


1月14日(月)

昨日は研究会に出席。こちら。朝鮮大学校の研究者と交流があるのは、北ではなくむしろ南の研究者であるというのは、よく考えれば当たり前かも知れないがちょっと意外でもある。

江ノ島沖の不審者目撃情報事件は、嘘の通報をした人に賠償を求めるとか言っているらしい。しかし、もし裁判をして安易に信じた海上保安庁にも責任があるなんてことになったら、まったく身に覚えがない(はず)にもかかわらず船内捜索をされた人たちが不愉快な目にあった責任の一部を海上保安庁も取らなければならなくなるのでは?


1月15日(火)

試験とレポートの採点。やっと一科目。まだまだこれから。

アメリカンフットボールを見ながらスナック菓子を食べるなんて、アメリカ以外の国の指導者にはないことだろう。国民の模範となる休日の過ごし方だ。

「世界のテロを撲滅します」という名目で各国に軍隊を派遣するアメリカのやり方について新しいタイプの植民地と述べた人がいたそうだ。「ポストコロニアルコロニアリズム」とでも呼べば良いのだろうか。


1月16日(水)

15日の夕方、私の自宅のメールアドレスにメールをくれた方、ここを読んでませんか?間違って1通誰かのメールを消去したことがわかっています。請う再連絡。

理科系国立大学生へのアンケート「GMF(遺伝子組み換え農作物)を利用した食品について」。試しにとってみた。漏れの無い解答者が計42名。将来サイエンスや技術に携わる人にしては、意外に普通の結果であるような気がする。問1の結果は逆にちょっと心配かも。

問1食べている(4名)、食べたかも知れない(33名)、食べていない(5名)

問2特別危険はないと確信(0名)、 特別危険はないのではないかと思う(13名)、特別な危険があるかも知れない(25名)、危険があるに違いない(2名)、わからない(2名)。

問3積極的に選ぶ(2名)、気にしない(11名)、消極的に選択する(安い、他にないとき)(20名)、選ばない(9名)。

午後は会議、書類、電話等で時間がつぶれる。夜は採点。

冷やしかき揚げソバを頼むと、大きな器にソバとつゆが入ったものが出てきた。そば湯が飲みにくいじゃないか。「もり+かき揚げ」にすべきだったかと考える。価格表で確かめたところ、値段は同じだ。



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