DIARY 2002年2月前半



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2月1日(金)

郵パックは予定外の時間に来るし、直ちに返信すべき郵便が2つ来るし、メールの返事は来ないし、試験答案はたくさんあるし、レポートもまだ残っているし、外は寒いし、・・・。

「授業(満足度)アンケート」というのを今ではたいていの大学でやっている。(典型的な例の一つがこちら。)工学院大学でもこの秋から始めた。始める前は「査定」に用いられるのではといった問題点(?)の指摘もあったのだが、実際に行ってみると学生の評価が高かった場合に、その授業が必要な根拠として利用されかけている。それは逆手に取れば恐れていたことにもなるのだが。自主的に同じようなアンケートをとってきたのでまあこんなもんだろうと捉えているが、初めてこういう結果を得た人の中には数字をどのように解釈すべきか真剣に悩んでいる人もいるように見える。


2月2日(土)

試験の採点続き。どんなに長くても良いと言った私に挑戦するようなレポート用紙13枚のレポートも読んだ。

大学の情報センターのプリンタから出力されたレポートには印刷日時が記される。提出日の授業に遅れてきたのがバレバレだ。プリンタの方に時計が内蔵されているのでなければ、使っている端末のウィンドウズ機の「時計」をいじって時間は調整できるのでは? 実際のところは、情報センターを使ったことがないのでわからない。ちなみに、もし他の人に代わって印刷してもらった場合も、ログインIDが下の欄外に出てくるので、ばれるようになっている。


2月3日(日)

シメジとヒラタケの違いがどうにも納得いかなくていろいろ調べているうちに石川県林業試験場に至る。ここからキノコマークをクリックして行けるページが役に立った。他の道県の林業試験場のページを幾つか見たが、石川県は比較的一般向けのコンテンツが充実しているようだ。

全然関係ないが、最近続けざまにブロッコリーのカイワレ(?)を目撃。どうしたんだろうかと思って探したら、癌予防に効果があるとするページを発見。某健康関連テレビ番組にも登場したということがわかった。私は知らないが、ひょっとするとブームなのかも知れない。

とある辞典の原稿の校正などを締め切りすぎてから。先日の紀要の校正も締め切りを過ぎていた。締め切りを守るのが取り柄だったのに、近頃こうなってしまう自分に自己嫌悪。


2月4日(月)

今年卒業するはずの学生をエレベータで見かけたので話しかけるが、歯切れが悪い。なんと自転車がパンクしたため卒論を出しそこねたのだという。単位数は足りているので、卒業はできるとのこと。(二部には卒論が必修ではない学科もある。)しかし、卒論を出せなかったのは残念に違いあるまい。

現代思想の2月号を一瞬立ち読み。現代の医療問題に関する文献は次々に出てくる、そういった大量生産の流れの中に乗ることにちょっとためらい。ちょっとだけ、ね。ここのところ、書いてばかりいる。少し落ち着いて勉強したいと思う。

新宿西口にチケットショップが3件並ぶところを発見。例の火事で焼けたところ。

ネコに手を噛まれて痛いのでおしまい。


2月5日(火)

一太郎ヴァージョンアップ版の登録をネット上でしようとふと思い立ち、昔のユーザーカードを持ち出してジャストシステムのページに接続したところ、ユーザーID以外に電話番号を聞かれた。最初に(正規に)一太郎を買ったのはたぶん94年頃だったと見当をつけ、その後怠慢な自分が登録情報の変更など一度もしなかったに違いないと予想し、今は誰か知らない別の人のものであろう川崎市の番号を思い出して打ち込んでみたところ、見事正解したようだ。

パワーポイント(マイクロソフト社が出しているプレゼンテーションソフト)に代わるものは何かないのだろうかと、気になって調べた。その昔、コピーのことをゼロックスと言う人があったように、現在ではプレゼンテーションソフトのことはパワーポイントと呼ばれている。いまや工学部では卒論の発表会などで欠くことのできないこのプレゼンテーションソフトが、一社独占なんて許しがたいことではないかと考えたからだ。

ハンコムという会社の作っているHancom Presenterというソフトがあることがわかった。Linuxのソフトのようだが、パワーポイントとも互換性があるらしい。まとめ売りのオフィスバージョンで買っても1万円ちょっとくらいだし、今パソコンを始めろと言われたらWindowsじゃなくてLinuxにするな。サンマイクロシステムズが、マイクロソフト・オフィスに対抗する製品として出しているこれのWindows版が今年の夏に出るという話もあるらしい。現実的にはこっちかな。


2月6日(水)

新宿駅で「8時ちょうどのあずさ2号」を復活させるというイベントが日曜日にあったらしいが、昔の車両を使うと同時に狩人も呼んでいて、歌謡曲マニアを狙ったものか鉄道マニアをねらったものか今ひとつねらいがはっきりしない。白髪混じりの二人組が実際にホームで歌を歌ったそうだが、電車にも乗ったのだろうか。

この曲が流行っていた中学生当時、まだ行ったことのない東京の、見たことのない新宿駅を想像していたものだった。将来ここを勤務先の最寄り駅として使うことになるとは思いもしないで。ちなみに上京する前の新宿に対する私の先入観の形成に大きく寄与したのは、巨人の星で左門豊作が恋をする「新宿のお京(京子さん?)」である。おそらくこれのDisc-2あたり。

今日から4日続けて入試。学内に入るためには身分証が必要。

図書室から図書登録もれという電話。図書費・研究費で買った1万円以上の本は、学校の資産として登録される。研究費を外部からとってくることは、学校の資産を増やすことでもあるわけだ。しかし『日本産科婦人科学会五十年史』は現在使用中なので、容易には差し出せない。困った。

来年度のシラバス(授業要綱)は、パスワードをもらってネット上で入力できる。うれしいことにHTMLのタグもつかえるらしい。色文字、リンク貼りまくり?!


2月7日(木)

連日入試。といっても、この倍の受験生がいたこともあったと懐かしい話が出てくる。でも、もっと前は現在と同じくらいの受験者だったという。何だ、もとに戻っただけじゃないか。今年の理科系の大学は志願者が下げ止まって一安心?

音楽CDの規格を決めたフィリップス社が、コピー防止機能付きのCDについて述べたコメント「これらは音楽データを記録した銀色のディスクで、CDに似ているがCDではない」には笑った。定義を決めた者が偉いと思っていたら間違いだという例だろう。金属のバットでボールをたたく野球によく似たスポーツとか、会話の語尾に「や」が頻繁につく日本語によく似た言語とか言うようなものだ。

たくさん書くべきメールがあるのだが、書き終わらない。


2月8日(金)

手首をネコに噛まれるというケガをしてから、右手首を曲げると痛い。しかし、このケガによって、日常生活のどのような場面で手首を大きく曲げようとするか(しかも左手では代替できないか)ということがはっきりした。背中の右上の方を掻く場合、シャツの上の方のボタンをとめる場合、がそれに当たる。病気やケガは自分を知る良い機会だというが、確かに無意識のうちに行っていることを意識下に置けるということを考えれば、この場合もそうである。

つぶれた古本屋の後に入っていた古本屋がつぶれた。貼り紙でテナント募集と書いてあるが、もうさすがに古本屋は入らないだろう。


2月9日(土)

シラバスは今年はウェブ上で入力することになっている。書面で提出しても構わないのだが、おそらく年輩の先生や非常勤の先生を除けば皆「ウェブ提出」をするだろう。原稿はほぼ完成したが、まだ「教務課に提出」ボタンをクリックするのをためらっている。

このシステムの利点(欠点?)を一つ発見。今年度のすべてのシラバス原稿はすでに入力してあり参照可能だ。前年の原稿を貼り付けて修正できるようになっている。しかし、それだけではなく来年度のシラバスも、すでに「ウェブ提出」されたものは参照できる。これは、誰が原稿を出していて、誰が出していないのかわかるということだ。これまでなら「もう他の先生は出しましたよ」という催促が効いたのだが、今年はそうはいかない。

近所の古本屋が店名を改め開店した。(昨日書いたところとは別のところ。)しかし、前の店の看板は店の前に残っているし、同じ商品を置いてある(値札も貼り替えていない)し、店員は同じ人だし、つけているエプロンも前の店名入りだ。そのうえ、新しいチェーンのウェブページにはまだ掲載されていない。

変わった点は、中古ゲームが増えたところだ。しかも、入ってすぐの一番目立つところに、すでに終わったゲーム機用のゲームCDがたくさん、ジャケット面を前にして置いてある。セガサターン、PCエンジン、それにPC−FX(知らない人はこちら)のソフトを、こんなに堂々と展示してあるとは、商品販売というよりは博物館機能を重視していると見なされても仕方がない。しかも比較的高価。有名なものが多く、決してマニア向けレアものとは思えない。


2月10日(日)

今年も入試ミス発覚。ここ によれば同志社大学工学部の数学で出題ミスがあったそうだ。「合否判定はまだで、ミスによる影響はないという。」とあるが、影響が「ない」と言ってはいけないだろう。

通勤定期とは別に秋葉原までの定期券を持つM氏によれば、プレゼンテーションソフトは他にジャストシステムとロータスが出しているそうだ。


2月11日(月)

先日古本屋でランダウ他著『相対性理論入門』(東京図書)を発見。しばらく立ち読みしてしまった。昔は、この本みたいにけっこう面白い素人向きの入門書があったように思う。近頃の講談社ブルーバックスの類は、以前より簡単でわかりやすくなったかも知れないが、思想的なところから説き起こすような深みがないから物足りなさを感じるのではないかと思う。ちなみに上記図書は1963年発行。

東京女子医大の事故隠し問題は、さらに進展? 詳しくはこちら。主任教授の名前などは出ていないが、ウェブ上で調べればここに至ることはできる。ただし、病院と大学との関係はよくわからない。


2月12日(火)

合格発表の掲示板がひっそり立つ横で、どこかのメーカー団体(?)のイベントが騒がしい。ネット上にも掲載されるし電話でも受け付けている合格発表で、わざわざ掲示板を見に来る人はいないのではないかと思う。合格記念(証拠?)写真撮影の道具か?

会議室は、机の配置が戦時総動員体制(入学試験は大学における冬の大イベントである)のままで動いていなかった。

ううむ。ねこ主任頼んだのに、普通のシールだけ届いた。仕方がないので今回はこれで。Microsoft Wordの表(table)をExcelに写してから、それをAccessで読み込んで宛名シールフォーマットに直す。変な手順だ。WordからAccessに直行可能なんだろうなあとは思うが、最初に調べてわかったやり方がそれだった。必要以上にマニュアルは読まないことにしている。

やっと某大辞典の原稿(人物4人分)の校正を提出することができた。初校はずっと前に提出していたのだが、昨年末にそれぞれ出生地等が書き加えられるなどの修正を経て編集部から戻ってきた。必須項目なら最初からそう教えてくれれば良いと思うのだが、調べ直しだ。ドイツ人Schwannのカタカナ表記が「シュヴァン」から「シュワン」に直されているのも?と思ったが、これは文句は言わない。そういう方針なのだろう。しかし、出生地の1つは現在の地名で書かれていることが百科事典を調べてわかった。


2月13日(水)

「宅急便」の登録商標をもつ業者が遅れて到着したのは、隣のビルの保険会社で大量のチョコレートの贈り物の回収をしていたからだそうだ。私にはよくわからないが、多額の保険料を納める上顧客になると2月14日にクール宅急便が送られてくるのだろうか。しかしプロの保険屋としては生活習慣病の罹患可能性を高めるプレゼントはしたくないはずなので、チョコ以外の物を贈っていると考えられる。

3人がかりで行った最新号の梱包作業に2時間。その後、荷物の引き取りが来ないので別刷り用の冊子小包作成にかかるも途中で断念し、家に帰ってこっちを更新。分科会に奉仕した一日である。あ、まだ新しい雑誌の写真を貼り付けていない!

オリンピックで日本選手がメダルなんて取らなければ良いなと思っている。せっかくの重要なニュースが大騒ぎで飛ばされたり、アナウンサー他が恥ずかしいまでのはしゃぎ方をしたりするからだ。開会式のニュースなどを聞いていると、アメリカ人は他の国の選手のことを国内イベントにやってきて競技を盛り上げてくれるお客さんとしか見なしていないのではないかと思われる。

ついこの前もアメリカでオリンピックをやっていたような気がするが、「世界の59%の富を独占する国」(「世界がもし百人の村だったら」より)なんだから、2回に1回くらいまわってきてもおかしくないね。


2月14日(木)

都営12号線(大江戸線とも言うらしい)の中に沿線大学案内というポスターが貼ってあったが、どう見ても沿線とは思えない大学がいくつも出ている。国際基督教大学なんて都営線はもとよりあらゆる線路のどの駅からも最寄りではないはず。そのうえ、始発駅である都庁前駅最寄りの肝心の大学は出ていない。「案内」に名を借りた大学の広告のようだ。

これまでコンビニ空白地帯だった駅南口に建築中のビルの1Fが、恐らく工事中のビルを横目で見ながら通り過ぎる多くの駅利用者の期待に応えて、コンビニの体裁を整え始めた。

今年度の仕事の残りを片づけ、来年度の準備をしていると、こうして春休みというものは終わっていくのだなと思う。



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