センター長挨拶

 研究テーマ

センター長挨拶

「機能表面研究センター」(FMSFunctional Microstructured Surfaces Research Centerは、2013年度に文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に採択された研究プロジェクト「微細加工による新機能表面・構造の創成と応用」を推進する研究組織としてスタートしました。本研究センターのベースには、2008年度から2012年度に同事業に採択された生体医工学研究センター(BERCBiomedical Engineering Research Center)、 および2003年度から2007年度まで展開されたマイクロ先進スマート機械・バイオシステム研究センター(SMBCSmart Machine and Micro-Bio System Research Center) があります。2つの研究センターで整備されたマイクロ加工設備、バイオ関連設備を活用し、蓄積された技術や知識を基礎として、「微細構造によって発現する表面機能」に関する新たな研究領域を開拓することを目的としています。

 近年のマイクロ・ナノ技術や微細加工技術の進展にともない,表面の構造は分子レベルまで観察可能になり,表面のテクスチャリングや改質などの表面制御技術も進展し,流体,材料,光学,医療などの幅広い分野で、表面機能の活用が不可欠なものとなりつつあります。しかし,各分野で独自の観点から研究が進められてきたために,表面の構造と機能に関する体系的な理解は手付かずの状態であり、分野横断的な知識の整理,体系化が求められています。そこで本研究プロジェクトでは、テーマ1において,表面の微細構造により発現する表面機能と、その加工技術に関する基礎的な学問・技術体系を構築し、テーマ2〜4において,表面機能の種々の分野への応用技術を確立することを目標としています.テーマ1の基礎研究で得られた知識や技術を、テーマ2〜4の応用研究に提供するという形で、テーマ間が有機的につながっていることが特徴です。

基礎研究では,SMBCで得られた知見、整備されたマイクロ加工装置を有効に活用し,ミリメートルからナノメートルに及ぶ表面微細構造の各種加工技術,表面の設計技術,評価技術に関する研究を展開し,知識の整理・体系化を目指します。

応用研究では,SMBCBERCのプロジェクトに関連の深い,生体医工学分野(テーマ2), 流体・エネルギー分野(テーマ3),マイクロメカトロニクス分野(テーマ4)の応用研究を重点的に展開します.以前から行ってきた各種企業や医療系研究機関との共同研究を進展させ,製品開発や臨床応用につながる研究を展開していきます。

 研究スペースは、八王子16号館(MBSC棟、Micro-Bio System Research Center)13階の各実験室で、SMBCで整備されたクリーンルームやマイクロ加工設備、BERCで整備された細胞培養システム等が設置されています。本研究プロジェクトでも、新たに微細加工装置や、表面の構造、機能の評価装置を導入していきます。

以上、本研究センターでは、テーマ間の有機的な連携を図りつつ各分野の研究を活発に推進し、表面工学領域における重要研究教育拠点として発展させて参ります。

機能表面研究センター長

鈴木健司

KENJI SUZUKI