DIARY 2002年5月前半



日記目次4月後半101112131415165月後半


5月1日(水)

へべれけで教壇に立ってしまった教員が処分されるというニュース。弁護するわけではないが、酒酔い運転ほど人命にとって危険ではない。だから、処分があるとしても(あるだろうが)、酒気帯びで運転をしたときに受ける処分ほど重くなくても良いということになる。学生にとって迷惑なことこの上ないが、それでも処分(加害者に罰を与える)より、補償(被害者に金を返す)という方が優先されて考えられるべきことではないだろうか。もちろん同時に、学校の名誉が傷つけられたという賠償請求が、大学から教員に対して起こされても不思議ではない。

午後10時の郵便局。切手用の糊につかまって死んだハエが一匹。

初版1500部の本を1冊いただけるとは、うれしいけど申し訳ないです。


5月2日(木)

委員会の書類とにらめっことか、組合事務室のパソコン選びとか、印刷所の人に原稿をわたすための準備とか、科学史学会年会の会場への行き方を考えるとか、授業の準備とか。

ネズミの「リモコン操作」成功というニュース。脳に電気刺激を与えて移動方向を操ったということらしい。「リモコン操作」は言い過ぎではないか。人命救出などに使うというが、先は遠そうだ。

教員1名、職員1名、ともに今年度に入ってから入院という話を聞くと、身体には気を付けなければならないなと思う。今学期始まって1ヶ月。GW明けて、あと2ヶ月続く。


5月3日(金)

本当はすでに終わっていなければならないことを今頃している、ということがたくさんある今日この頃。

佐渡島内の市町村が全部合併する予定らしい。新市名は「佐渡市」で決まりかと思いきや、ここで募集している。「とき市」だと、島民が絶滅しかけて、島外から移民を連れてこなければならなくなりそうで縁起が悪いぞ。

郵便事業が民営化したからといって、他の会社も郵便事業を始めるとは思えない。なにしろ、クロネコメール便ですら郵政事業庁が付けている番号を記すように指示してくる。

最近書いた書評がちゃんと存在していることをここで確認した。現物は、まだ見ていない。


5月4日(土)

山口県のこちら(←重いしPDFなので注意:読むのに必要なAcrobat Readerはここで配布中)では、応募のあった新市名候補をすべて並べてある。すごい努力だ。たとえば、71位「きらめき市」11票。佐渡の場合ここにあるように、「とき市」は土岐市と重なるのでダメだそうだ。

ロンドンからの郵便物で、3日で着いたものがあった。時差を考えるともっと短いかも知れない。他方で、広島に送った郵便物が3日かかったりしている。トータルとしての移動の速さというのは、実際の距離や途中で出せる最高速度ではなく、接続部にかかる時間や輸送便の頻度などに依存していると考えるべきだろう。金沢大学に行くには意外に時間がかかることがわかった。

叙述の順序を考え直して欲しいと言われても、具体的にどうすることが望まれているのかよくわからない。論文を査読してくれた人の気持ちを読み損なっているのかも知れないが、とりあえず少しいじってみた。


5月5日(日)

結局いろいろ調べてしまった。金沢駅から金沢大学までのバスはこちら。上越新幹線を利用したJRルートはこちら。夜行バスはこちら。飛行機は以下の各社JALJASANA。小松空港と金沢・小松駅間のバスは、こちら。小松・金沢間のJR線時刻表はここ。マニアにはこれ。個人のページの場合は確実なデータを確認してください。

最近よく聞くようになって市民権を得たかに見える単語「アカハラ」=アカデミックハラスメント。告発ページの一つがこちら

休日の朝の駅前は静かだ。180円の珈琲店と床屋さんが開いている。開店を待つおじさんがいるので、パチンコも開くのだろう。


5月6日(月)

連休最後の日。午前中は特に変わりなく家で仕事。夕方は杉並区方面で古本屋等。こんな本が知らないあいだに出ていたのだというのを見つけるが、読んでみると買って読むほどではないかも知れないと思ってやはり買わない、というのが数冊。

系図作成ソフト「源」(ゲン?)というものを見つけた。これまで競走馬の系図を書くというのは見たことがあったのだが、これは「自分史作成」をうたっており”ヒト”用だ。科学史家としても食指が動くが、買うほどのソフトでもないような気がする。

中古これが売られているのも見た。「ソフトなし」というのが気になる。

米国での調査によれば6割が「霊能力を信じる」そうだ。こちら。面白いのは、外国出身者ばかりが学位を取っているのをアメリカにとっての脅威と捉えているところだ。日本から見ると、研究の場にアメリカを選ぶのは頭脳流出と呼ばれ、日本にとっての危機だと言われているのに。

新宿西口にビックカメラができるらしい。そういえば先週の水曜日西口でビックの服を着た人がチラシを配っているのを見て不思議に思ったことを思い出した。おしゃれな小田急HALCが電気屋さんに場所を奪われてしまうなんて。たしか、その目の前のビルも、ちょっと前に建て替えられたと思ったら「さくらや」になっていたところだ。


5月7日(火)

昨日のCNNの原文を探そうとしたが見つからず。代わりに面白いページに出くわした。これ。「どうして天使は見えないの?」の解答が面白い。何と、泉重千代さんも取り上げられている。ちなみに、権威ある団体の公的なページであって、決して怪しいものではない。

Yahoo!オークションで、Yahoo!自身による不正な価格の吊り上げがあったらしいとのニュース。ヤフーは間違って入札したと言っているが、入札価格がいかにもという値段だし、このことが騒がれ出してから一般客にはいじれない取引履歴の削除が行われているなど、状況証拠は「故意」と「隠蔽」を示唆している。犯罪の臭いのする出品が堂々と並ぶ「無法地帯」でYahoo!も一切見て見ぬ振りという時期が、傍観者には一番面白かった。客のチェックを厳しくして手数料まで取ることにし、Yahoo!も紳士然としたが、違法出品はそれほど消えておらず巧妙になっただけで、胴元も足を洗っていなかったというわけだ。最近利用が激減しているらしいが、有料となったとたんに詐欺にあうリスクを避ける人が増えるということだろうか。


5月8日(水)

暑い! 学会参加費などの払い込み、速達の送付など、郵便局に用事が多い。

夜九時半。疲れた身体で薬屋に入ってビタミン剤を探していると、佐野元春の「約束の橋」が聞こえてくる。本来は癒される歌詞のはずなのに、癒されるべき自分がいることを発見して、疲れが身にしみてくる。電車は暑くて混んでいる。

財務省の金庫にビール券があるとは不思議だ。物納された税金か。内部の飲み会用に機密費で買ったものか。

UCLAの医学校に2億ドルの寄付というニュース。英語ならここにも。何に使うのだろう。目立つ使い方が良い使い方とは限らない。


5月9日(木)

昨日の寄付の金額を間違え、2ケタ少なく書いていたことに気づく。1日間誰にも指摘されなかったが、200万ドルでもけっこうな値段なのでなんとなく納得してしまっていてもおかしくはない。(気づいていた人もいると思いますが・・・。)私のような文献系の研究者は、一生研究を続けてもこんな金額使えない。それにしても、研究の最先端にお金を注ぐことが、本当に医療全体にとって良いことなのかどうかは怪しいと思う。

アソシエ9号をK屋書店にウェブ発注してからもう3週間になるのに、まだ「発送済」にならない。普通なら2,3日で送られてくるのに、どうしたんだろう。キャンセルできないので、買うのは躊躇してしまう。

歌舞伎町に最近開店したばかりで、開店セール100円引きをうたっており、コーヒーなども飲むことができるタイプのスタンド型軽食店で、ソバを注文して食べた。すぐに出てきたが、固くて不味い。つゆもほとんど飲む気にならない。やっぱり立ち食いはションベン横町に限る。


5月10日(金)

著名なアメリカの医学誌New england Journal of Medicineにクローン関係の特集が組まれている。(とりあえずはこちら。最新情報のページなので、すぐなくなるでしょう。)最初の著者は、スタンフォード大学医学部の人で、会社も作っていて(社名はStem Cell=幹細胞!)、(クローン技術を含んだ)「幹細胞生物学」(って分野があるようだ)の研究を禁じたりすると、医学の進歩を阻害することになると言いたそうだ。2人目はもっと穏健な人だと思ったらヨーロッパの人らしいので納得。

自国領土に一旦入った人間を簡単に連れ戻させるなんて。そういえば、総書記「似」の男を中国に出国させたこともあった。これで日本は、世界でも有数の親北朝鮮、親中華人民共和国の国家であることを世界に表明したようなものだ。いっそのこと、米軍じゃなくて人民軍に領土を守ってもらうことにした方が、つじつまも合うというものだ。世界中に無数にいる潜在的「亡命希望者」にとっては、リスクの高い亡命先の国No.1として知られるようになるだろう。

『生物学史研究』に、公費形式での注文依頼があった。銀行振り込み口座が必要で、請求書・見積書・納品書の3点が必要だ。確かに、こういう事態は予測されたことだ。まず分科会の印鑑を作らなければならない?

ローソンとファミリーマートで、それぞれ1枚ずつ航空機のチケットを購入。ネット上で予約したものだ。ローソンの場所は知っていたが、同じ西新宿1丁目のファミリーマートは少し迷った。


5月11日(土)

また最寄り駅の改札で「定期+パスネット」の2枚重ねがはじかれた。後ろの人に迷惑なので仕方なく精算機に並ぶ。

NHKが視聴者から批判を浴びた番組に対して釈明したというニュース。一見して怪しげとわかる民間療法を美化する放送などすべきではないという主張は、NHKに期待しすぎだとも思うが、他方で受信料を払っている限りは文句を言う権利があるということかも。○○(食べ物、何でもかまわない)が××(ありがちな病気や体調不良、癌や心臓病の予防から肩こり、頭痛まで)に効果があるといった内容を、説得力のほとんどない「実験」を申しわけ程度につけたり、時にはほとんど検証らしい検証もなく流しているのは、だいたいどこの放送局でも同じことではないだろうか。


5月12日(日)

荷物を早めに受け取ることができた。「午後」の配達だったのに、1点は1時過ぎ、もう1点は1時前に届いた。

「さかなさかなさかな」という例のメロディーが流れてきた店がたこ焼き屋さんだったりすると、ちょっと便乗かなと思う。

スーパーSに久しぶりに行ったら、もうネームプレートの「趣味」欄がなくなっていた。(過去の日記参照。)ちなみに、ここの4/3と4/10でも話題になっている。某アルバイトさんの日記(すでに消失済み?)によれば、一時的な企画であったらしい。その人は「コスプレ」と書きたかったが自主規制したそうだ。

一太郎で書いた文書を横書きから縦書きに直すと「ー」はちゃんと縦棒になるのに、「−」は横棒のままであることを「発見」した。


5月13日(月)

校正を届けにY工産の人が訪ねてくる。いつも時間が合わなくて届け物をメールボックスに置いていってくれるのだが、今日はちょうど良いタイミングで出会えた。こちらからも原稿を手渡すことができる。受け取った原稿のうち簡単なものから処理しようとするが、終わらない。

夜8時。私の今日出席すべき会議はすべて終わった。しかし、まだ会議をしている部屋もある。

駅前のドトールコーヒーの店内が暗くなって、一人残った店長だけが入り口のレジのあたりで何かしているという風景をよく見かける。ちょうどそういう時間に帰宅することが多いということだ。

コピーの束をどうにかして冊子小包で送ることはできないのかと考えて調べたところ、「冊子小包に該当しないもの」の条件の一つは「冊子としないもの」とあった。それはそうだろう。冊子小包であるには冊子であることが必要であるというのは、当たり前の話だ。


5月14日(火)

先日某駅前のスタンド式麺類食事所の前を通りかかったところ、「麻婆うどん」という文字が目に入った。そのときは何気なく見逃してしまったが、後から考えるとどのようなものであるか想像できない食べ物であることに気づいた。うどんの上に麻婆風の何かがかかっているに違いない。しかし、うどんは普通のつゆにつかっているのだろうか。それとも、つゆはなくて麻婆がかかっており、それが味付けになっているのだろうか。麻婆には豆腐が入っているのか否か。どうやって食べるのか。箸だけか。レンゲやスプーンのようなものが使えるのか。食器は丼か皿か。つゆの場合、食べていくうちに上の具が液体の中に落ち込んでいくと思われるが、それはどのようにしてすくい上げたら良いのか。つゆを飲んですくいあげるとしたら、どのくらいまで飲むのが正しいのか。疑問は次々にわいてくる。

同様に正しい食べ方が見えてこないものの一つが、松屋の「カレー牛」だ。弁当として購入すると、「白米、牛丼の具、漬け物」がそれぞれのスペースに分割されて入った 弁当箱に、カレーの入ったカップの入れ物が付いてくる。「牛」と「カレー」は別々に白米に乗せて、牛丼とカレーライスとして味わうべきなのか。それとも全部混ぜるものなのか。別々に食べる場合は、カレーと牛丼の具の方を固定して、白米を移動させた方が確実に分けることができるのだろうか。しかし、この方法をとった場合、最初に分離比を誤ると悲劇的な結末が待ち受けることになろう。それを考えると初心者は、白米を固定するという融通の効く方法を採用するべきではないか。漬け物は福神漬けと見なしてカレーと一緒に食べるものなのか。それとも牛丼の添え物とされるべきなのか。紅生姜を持って帰って良いのか。スプーンだけで食べるのか。箸も用いるべきか。

上の文章を書きながら思い出したのは、泉昌之の「かっこいいスキヤキ」だった。


5月15日(水)

昨日「カレー牛」と書いたものは、ここによれば「カレ・ギュウ」が正式名称らしい。また写真では、「ギュウ」が危うくカレーに浸かりそうである。ということは、両者を混ぜて食べることが推奨されているのだろうか。「つゆだく」と同じように、「牛別」と言ったらカレーから最も遠い白米の脇に置いてくれないだろうか。

健康診断で、また脈拍が早いことを指摘された。いつもそうだけど動悸や息切れはありませんと説明。しかし、著名な歌う生物学者氏によれば、動物が一生涯に打つ鼓動の数は一定だということで、それはつまり私がヒトにしては短命だということになる。

初めて私の頁にアクセスしたらログを取られてしまったのが悔しいので、今度はログを取られないようにアクセスしてみたいという学生がいた。プロキシを使うなどという方法では満足できないらしい。ホームページとは互いのネットワーク技量を試し合う戦いの場なのか? こちらはそのつもりはないが、できたらやり方を教えて欲しい。


5月16日(木)

ときどき授業時間開始より前に教室に入ることがある。パソコンのセッティングなどに時間がかかりそうなときにそうするのだが、まだ始まらないというのに廊下で休憩していた学生がぞろぞろと教室に入ってくる。正確な時間(教室にだって時計がある!)よりも教員が教室に入っていくという現象の方が行動に影響を与えてしまうというのはおかしなことだ。わざわざ、まだ始まらないよと言ってしまったこともある。

トルコは「小アジア」と授業でしゃべったら、サッカーのワールドカップではヨーロッパ予選にトルコが出ていたと学生から指摘された。1チーム1人を除いて前肢の利用が許されないという異常に禁欲的なスポーツ自体にも特別に関心があるというわけではなく、それにあやかって一儲け企もうという企業の製品はどちらかというと買うのを控えてしまう身としては、特に調べなければならない義理もないとは思ったのだが、一応調べて見たところそのとおりだった。サッカーが欧州中心的なスポーツであるらしきことも感じられた。

18時から始まった会議は20時に終了。



日記目次前頁次頁:メールは こちら