朝の各駅停車で隣に座った茶髪の女子大生(だと思う)が、学校の授業の教材らしき英文のコピーを取りだして辞書を引きながら読んでいたのでちらりと盗み見したところ、ドーキンスのBlind Watchmakerだった。どこの誰がこんなものを学生に読ませているのだろうかと思い、ちょっと気になった。コピーのある一部分が、やたらたくさんわからない単語をひいているようで真っ黒になっていたが、どうやらそこは18世紀の神学者ペイリーからの引用の部分のようだ。ちなみに、この本の日本語訳は早川書房から出ている。タイトルは『ブラインド・ウォッチメイカ− 自然淘汰は偶然か?』。すぐにこの本の翻訳だとわかる。必死で単語をひいているが、それ訳本あるよと隣から声を出すのも変なおじさんなので、もちろんそんなことはしていない。
以前助手をしていた大学院で今日と次週の2回だけ臨時の授業。学会で会ったりして知っている学生もいるのだが、知らないはずの学生さえどこかで見たことがあるような気がしてしまう。最近こういうのが多い。歳だろうか。新しいことを受容できなくなっているのだとすれば、これは大変危険だ。
メールボックスの横を通ると、以前自分のメールボックスだったところに目をやってしまう。今は別の人の名前が書いてあるのだが、そんな身体の動きが自然に出てしまうことに驚かされた。
工事予算の書類。組合紙の印刷。組合員総会の事前打ち合わせ。本の予算の書類。そうそう、授業もあった。「授業」は大学教員の仕事のほんの一部である。
四人のうち誰か一人が出なければいけない会議の候補者を探すと、はずせない他の会議とのバッティングや出張で、候補者が一人に絞られた。
事務室で茶飲み話をしていたつもりが「会議」になったり、廊下で立ち話をしていたつもりが「会議」になったりするのを目撃することがある。熱心なのは良いことだが、なるべく避けて通らないと大変なことになる。
4限終了後ダウンした。体調が最悪だ。風邪が治ったかなと思ったところなのに。この身体の状態は、昨年末以来だ。
何もできず、仕方がなく家に帰ってテレビを見る。NHKが渋谷の様子を中継しており、アナウンサーが気温は現在12度台でこの後まだ下がりますと言った後、天気予報では明日の東京の最低気温が14度だと述べていた。明け方気温が上がるのか、渋谷の温度計が間違っているのか、渋谷は東京に含まれていないか、摂氏以外の温度目盛りも併用されているかのいずれかだろう。
最近店の入れ替わりが激しい駅前に、焼鳥屋とパソコン教室ができた。焼鳥屋は店頭販売だけに見えるが、よく見ると貼り紙があって中でも食べられると書いてある。奥に目をやると丸椅子が2つほど置いてある。パソコン教室は、この通りではちょっと異質。対抗するのは、すぐそばある「そろばん教室」くらいだ。
午前中はまったく使い物にならない。午後になってやっと少し働けるようになる。夕方になって組合の春闘等の報告集会に出席。しかし、早々に引き上げる。
どうやら病人続出らしい。授業が始まって1ヶ月。ちょうど急に寒くなった頃。過酷な環境は多くの教員を等しく襲っているようだ。
所沢の航空ショー(?)が、今年は中止になったそうだ。飛行機が危なっかしい飛び方をするのを下で見ていて何が面白いのかよくわからない人間としては、そんなことしないのがあたりまえだと思う。大小を問わなければ、飛行機事故など毎年どこかで起こっている。笑って見られる人ばかりではないはずだ。見せ物にでもしないと、地元に受け入れてもらえないから開催するのかも知れないが。あまり良い趣味には思えない。
父母のための校舎見学会に案内役ということで出席したが、特に仕事はないとも言われ、研究室に引っ込んだりもする。仕方がないので懇親会の席くらいはと、飲み物を注いで回る。出席した120人の父母は全員、地下の体育室や29階にあたる屋上も見学したらしい。私はまだどちらも見たことがない。だいたい、屋上は通常施錠されていて入れないはずだ。眺めの良い屋上は、こういうときのためにあるものなのだろうか。
午後1時頃から、校舎見学会は開始。土曜日の午後から授業のある2部の学生がたくさん会場の横を通り過ぎていく。何事が行われているのかと、こちらを面白そうに見ている。学生自身にとっては、まったく関心のない行事の一つだろう。
ブラウザをネットスケープにしたところ、ネットバンキングのページが最新バージョンに対応していなくて、開けなくなってしまった。どうして対応していない(対応をやめた?)のだろうか、東京三菱銀行。
「右」にカーソルを動かすキーが効かないキーボードで文章を書いている。ちょっと不便だが、思ったほど不便ではない。何とかコツをつかんできた。
中国で使われているコンピュータ・ソフトウェアの94%がコピーだそうだ。日本では偽物の摘発をやっているが、中国では本物を探す方が難しいくらいだろう。しかし、思い起こしてみれば、日本でも昔はコピーだらけだった。初めて手にした一太郎(たしかVer.3で、5インチのフロッピーディスク2枚だった)はコピーのコピーだったという覚えがある。
近所の焼き肉屋の店頭メニューに紙が貼り付けてあって、牛製品ではないメニューが書かれていた。たしかにブタでも焼き肉だ。こういった衣替えはあちこちで見られるらしい。しかし、「牛」を店名に入れた焼肉店は、店名と売り物のあいだに齟齬をきたさざるを得ない難しい決断を迫られているのだろう。
日曜日は最近睡眠時間の調整日になっている。この調整をさっそく乱してくれるのが、朝から八王子で授業があり、遅くまで新宿で授業がある月曜日だ。
3週間ぶりにちゃんと月曜日の授業。何時に家を出れば良いのかよくわからなくなっていたくらいだ。仕方なく早めに出たが、バスが遅くなってしまって電車を逃しそうになる。
土曜日の校舎見学会で「娘が先生の授業に出ています」と言われていたので、授業に出ていた学生の方に「お母さんと会った」旨を伝えると、ちゃんと知っていた。母娘のコミュニケーションはとても豊かなようだ。どんな先生がいるとか、どんな授業に出ているとかいうことが、大学時代の親子の会話内容であった覚えは、私にはほとんどない(自宅から通っていなかったからかも知れないが)。学校であったことはちゃんと毎日報告するのが、今の大学生にとっては普通なのだろうか。それとも、親の側にコスト意識があって、子供が受けている授業にチェックを入れているのだろうか。シラバスは親が読んでいるのかもしれない、とちょっと考えた。学習塾の宣伝などはそうだろうし、大学だって学校案内のパンフレットならそうだろうが、教員もいろいろなところでスポンサーである親の目を意識して行動すべきなのかも知れない。
組合の代議員会。専従書記なしでやる初めての会とあって、手違いややり直しが何カ所もある。いじわるな人がいて、その不手際につっこみを入れようと思えばいくらでも入れられるようなものだったが、何とか乗り切った。これで一つ仕事が終わった。
アリストテレスと東洋思想の研究者で、土木工学者と共同研究をし、NTTから研究費をもらっているK先生の研究室を訪ねる。社会人の大学院生はほぼ私と同じくらいの年齢だ。
アカデミックバージョンのソフトを買おうとして学生証を見せると、写真をしっかり確認されるのがちょっとイヤなことだそうだ。
スーツを着たりしていかにも社会人という格好をしているのはむしろ比較的若い人で、年輩になると逆に多少ラフな服装の人が増えてくるという観察報告があったが、これは若手の社会人がスーツを着てこないと二十歳前後の学生と区別がつかなくなるということとして理解すべきだという結論に達した。たしかに、大学生の場合、話してみて初めて社会人だとわかることがよくある。授業でちょっと古い話題を出してみて反応を見るのも、学生の年齢を推定する一つの方法だ。
ネットスケープでマイクロソフトのページを開こうとすると別のページに飛ばされて、「お使いの Web ブラウザでは、このサイトが正しく表示されないことがあります。」と表示され、インターネットエクスプローラのダウンロードを促されることがわかった。
どうしても落とせない単位のレポートなので「お父さんとお母さんと妹に読んでアドバイスしてもらった」と学生に申告されたことがある。自分だけの力ではないことを堂々と言うのはどうかと思うが、きっと仲の良い微笑ましい家庭なのだろうと考えて文句を言うのはやめておいた。そんなこともあった。
前期の授業では前の方の席に座っていた男子学生の一人が、後期はずっと後ろの方にいる。どうしていきなり変わったのだろうかと訝っていたところ、いつも最後列に一人で座っている女子学生に話しかけているのを発見した。そういえば、前期には前の方で同じようなことをしていた。席の移動はターゲットが変わったためであると考えられる。
科学技術社会論学会が発足したそうです。ホームページはこちら。
完成論文が1つ届いた。そろそろ『生物学史研究』68号の入稿開始だ。と思っていたら、印刷会社の担当者を夜の池袋駅のホームで見かける。話しかけなかったが。
何百人も人が死んでいる戦争で、日本人一人が行方不明になったというニュースが大きく扱われるのはとても不自然な気がする。と思っていたら、件の人物はひょっこり現れたらしい。光文社のヤラセじゃないだろうな。
炭疽騒動で、白い粉のために電車が止まったりしているらしい。郵政事業庁のページには、「小麦粉等の白い粉末を郵便物として差し出される場合についてのお願い」という文章が出ている。通信販売業者の中でもここなどは大変かも知れない。そのうち、「先生! 黒板の前に白い粉がたくさん落ちてます!」なんてことになるかも。
続いて2人のお客さんを研究室に迎える。あいだの時間にヨドバシで買い物。
物理的に破損したLANカードを新しいものに変えたが、システムの設定でも問題がないことになっているのに、どうしてもつながらない。ところが、しばらくほおっておいたところ知らない間にちゃんと接続していた。いろいろと不思議なことがあるのが計算機の世界。うまくいかない場合には仕方なく原因を追究するが、うまくいったときまで原因を追究していると切りがない。
日記なんて書いている場合じゃない、仕事をしろとのメッセージを多方面から受け取っている。けどまあ、気晴らしということで。
以前に8月28日の日記で触れた某学会の会長が、担保にしたヒトの細胞株を競売にかけられたというのでテレビに出ていた。しかし、裁判所の人たちはどういう基準で40人分のヒトの細胞の評価額をつけたのだろうか。億単位になるものなのだろうか。よっぽど価値のある特殊な細胞が入っているのか。なにしろ「当事者の同意を求める手続きが厳しくなかった20〜30年前、サンプルとして学者間で取引していたものなどを集めた」(毎日新聞ニュース)というのだから、ただで集めたようなものだ。「株」の値段など、あってないようなもの? 学会の事務局に会長の私物が保存してあるというのも公私混同の疑いがある。また、借金までしたどういう商売に手を出そうとしたのか気になる。
現在では、ここにあるようにヒトの組織・細胞の利用には倫理的な規定がある。
「先週は体調が・・」と言いかけて「知ってます、日記で読みました」と言われたりするので、日々の報告にも意味がないわけではないようだ。
人工衛星を飛ばしている会社が、アフガニスタン上空から撮影できる映像を独占的に使用する権利を合衆国政府に売ったということだ。テロで景気は悪くなっているというけれど、戦争で儲けている人もたくさんいるに違いないと思う。
自分のことをタリバンの味方だとは思っていないが、日本のテレビ報道にいかがわしさを感じてしまって、少なくともここのような記述も読まないと何だか安心できないと言うか居心地が悪いという状態にあることは確かだ。
脳死臓器移植の日本での歴史について調べ直しているが、今ならネットに出るような報告書の冊子をハガキで請求して郵送してもらった時代とか、パソコン通信で資料となる文書をダウンロードした時代とか、いろいろあったことを思い出す。
日大の生物資源科学部の学園祭がニュースになっている。普通の学園祭がニュースになるのは珍しい。通常学園祭をマスコミに乗せるには、有名人を呼ぶか事件を起こすしかない(管理者の視点で見るならば、模擬店で火を使えば火事、火を使わないところは食中毒が怖い)だろう。前者はお金がかかるし、後者は起こって欲しくない。ちなみに、このニュースの大学(学部)の場合は動物だ。これはなかなか真似できない。工学院大学の場合、人間の目で見える生物は飼育されていない。大学には野良猫すらいない。
朝までテレビを終えた後、一日空けて朝からのテレビに出ている田原総一郎は、どういうタイムスケジュールで睡眠をとっているのだろうか。
アメリカのNIHの日本版のようなものを作りたいという意見がまた出ているらしいが、無理だろう。文部科学省と厚生省から生命科学研究の予算を取り上げて一括して扱うようなものだから、どちらも嫌がるだろう。
家で仕事。雨だし。
体育祭で本来休みのはずの日の授業の休講掲示を出している先生がいる。結果的に問題はないのかも知れないが。
ここで書いた、図書館アルバイトの人から受けたアンケートについての真実がわかった。機械で学生証等を読みとったデータを図書館の職員の人が扱い切れないためであった。では、そのデータは誰が何のためにとっているのだろう、というのが次の疑問だ。
私の肩書きは「講師」が正しいのか「専任講師」が正しいのかよくわからなくなった。あちこち見るとだいたい「講師」としか書いていないのだが、それでは「非常勤講師」との違いがはっきりしないと言われることもある。どっちを書けば良いのだろう。使い分けが必要なのかも知れない。
原稿がメールで送れない。他のところにはメールが送れるのに、出版社には届かない。一番重要なところなのに。
これって学園祭なんだろうか。この1、2年で、早稲田大学は日本一不自由で、最も学生と教員に対する管理が進んだ大学になったと聞いたが、実際そうらしい。自由だけが取り柄ではなかったのだろうか。名目上は学生が運営していることになっているのに、連絡先は学生生活課(つまり大学の事務!)になっているあたりが面白い。よく知られているように、学生(学生じゃない人も混ざっていると言われてきた)が運営してきた学園祭は、大学によって1997年に「破壊」されている。今の学生は、学園祭がどんなものか知らない世代に交代してしまっているので、こういうものが学園祭だと思うのだろうね。
サーバがうまく動いていなかったようだ。アクセス履歴によれば、八王子にあるこのページも朝9時から夜遅くまで使えなかった模様。その上新宿のサーバも時々止まっていたらしい。校内でアクセスしてもメールが取れなかった時間があった。
11月から大学のWeb上で新しいサービスがスタートするので、その準備で工事をしていたのではないかと思われる。自分専用のページにログインできて、自分に関係する情報をゲットできるらしい。また、自分の出ている授業を登録しておけば休講情報がメールで送られてくることになるそうだ。iMODE、EZWeb、J-SKY計3種の携帯端末でもアクセスできる他、普通のウェブ・ブラウザでもここでアクセスできる。学生サービスの向上としては、かなりのものだと思う。しかし、学生も楽になったものだ。学生への連絡用掲示板もあるので、教員の側としては、今後は掲示の文書を教務課にメールで送れば良いということになりそうだ。
それは良いのだが、今度はftpでのファイル転送ができない。よって日記がアップできない。"550 Requested action not taken"と言われてしまう。どうしよう。日記が送れない。
この謎を追っているうちに、日記を書いている大学の先生を発見。私よりずっとたくさん書いているが、帯状疱疹になっているところまで同じだ。参照。帯状疱疹は、毎日ちまちまと何かをする性格の人が罹りやすいのかも知れない。