懸垂線を除去したエマルジョン液滴の二次微粒化挙動
概要
現在,世界では環境問題が深刻化しています.
中でも大気汚染物質であるPMやNOxは人体に害を及ぼします.
そこでこれらを減らす工夫をしなくてはなりません.
その一つとしてエマルジョン燃料と呼ばれる
燃料に水を混ぜたものを使用し燃焼効率を上げようという
考えがありました.なぜこのような燃料を使うのかというと,
エンジン内で加熱された水が水蒸気爆発を起こします.水蒸気爆発とは
水が蒸発し膨張することで突沸のような現象が起こることをいいます.
これを利用し,周囲の燃料を拡散させます.これを二次微粒化といいます.
二次微粒化により,燃料が空気と混合しやすくなり燃焼効率が改善され
PMの排出が抑制され,エマルジョン燃料に含まれる水分により
シリンダ内の温度が上がりにくなりNOxが減少する効果が期待されます.
液滴の加熱方法
この二次微粒化を観測するために,今までの研究では懸垂線の先に
エマルジョン燃料を保持して実験をしていました.しかし,それでは
内部からも熱が伝わってしまい実際のシリンダ内での現象とは違うのではないか
という懸念がありました.そこで懸垂線をなくし代わりに高温のシリコンオイル中に
エマルジョン燃料を浮遊させることで懸垂線の影響をなくすことにしました.
これにより外部からのみ熱を伝えることが可能になります.
よって実際の現象に近づけることができると考えています.
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