2004年 生物学史分科会 月例会
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日時:2月14日(土)午後3:00〜
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場所:東京大学駒場キャンパス(旧教養学部)14号館3階303号室(キャンパス内西端テニスコート横)京王井の頭線「東大駒場前駅」下車 渋谷寄り改札を出て正門手前に構内案内板があります。
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発表者:田口亜紗氏
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題目:生理休暇の誕生 ――近代日本の月経と生理休暇要求の言説史――
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内容紹介:田口亜紗氏は成城大学大学院文学研究科博士課程後期。世界で初めて日本で生まれた生理休暇制度は、医師の診断書を要する欧米の病理休暇とは異なり、当事者自身の申請で取得できる権利として誕生した。このユニークな制度が生まれた過程を明治期から登場したさまざまな言説にたどり、医療化によってもたらされた知や技法を使いながら医療化には抗していた過去の女性たちの姿を、いまを生きるヒントとして読み解いていただきます。
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日時:3月27日(土)午後3:00〜
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場所:東京大学駒場キャンパス(旧教養学部)14号館3階303号室(キャンパス内西端テニスコート横)京王井の頭線「東大駒場前駅」下車 渋谷寄り改札を出て正門手前に構内案内板があります。
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発表者:高山晴子氏
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題目:新聞記事からみる環境科学書の消長―『沈黙の春』及び『複合汚染』の比較を中心に―
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内容紹介:高山晴子氏はお茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程。環境汚染の古典的名著であるレイチェル・カーソン著『沈黙の春』と公害問題書である有吉佐和子著『複合汚染』の消長について新聞記事を元に論じていただきます。また環境問題の社会への浸透を踏まえながら環境科学書の社会的影響について考察していただきます。
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日時:4月17日(土) 午後4:30〜6:00
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場所:京都大学文学部新館2階第3演習室(休日のため東側入口をご利用下さい)(京阪出町柳駅東へ徒歩10分、本部キャンパス内)
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発表者:右田裕規氏
- 題目:王権と生物学―「生物学者としての昭和天皇」をめぐる表象とその政治性―
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内容紹介:右田裕規氏は日本学術振興会特別研究員。1920年代以降における、昭和天皇の生物学研究関連の報道を素材に、戦前・戦後において、「生物学者としての昭和天皇」をめぐる表象が内包した政治性と、その変容について報告していただきます。
- 日時:6月5日(土) 午後3:00〜5:00
- 場所:神戸大学国際文化学部D棟(最北側)529号室(JR六甲道・阪急六甲・阪神御影より市バス16系統神大国際文化学部前下車)※休日のため東側非常階段をご利用下さい。
- 発表者:水野祥子氏
- コメンテイター:塚原東吾氏
- 題目:イギリス帝国林学と環境保護主義
- 内容紹介:今回の生物学史分科会関西例会は科学史学会阪神支部との共催です。
水野祥子氏は大阪大学文学部助手。塚原東吾氏は神戸大学国際文化学部助教授。
19世紀後半から20世紀前半のインドにおける林学・森林政策と環境保護主義の
関係について話して頂きます。
- 日時:9月18日(土)午後3:00〜
- 場所:東京大学駒場キャンパス(教養学部)14号館3階303号室(キャンパス内西端テニスコート横)京王井の頭線「駒場東大前」駅下車 渋谷寄り改札を出て正門手前に構内案内板があります。
- 発表者:森 幸也 氏
- 題目:『動物哲学』と≪運命≫交響曲 ―生物学史と音楽史の1809年―
- 内容紹介:森幸也氏は山梨学院大学教員。この数年は「科学史と音楽史の比較」というテーマで研究を続けておられます。ラマルクとベートーヴェンの代表作、『動物哲学』と≪運命≫交響曲に見られる世界観の比較を中心として、当時の生物学史と音楽史の変遷の類似性・並行性を探っていただきます。
- 日時:11月28日(日 午後2:00〜5:00
- 場所:神戸大学百年記念館(JR六甲道・阪急六甲・阪神御影より市バス36系統神大文理農学部前下車)地図
- 発表者:粥川準二 氏
- 題目:先端医療における人体の資源化
- 発表者:香西豊子 氏
- 題目:「ドネーション」言説の存立様態
- 内容紹介:今回の生物学史分科会関西例会は科学史学会阪神支部、STSNJ、医療とSTS研究会、神戸STS研究会などと共催です。ジャーナリストで明治学院大学大学院社会学研究科の粥川準二氏には、先端医療の現場における人体の資源化の現状について報告して頂きます。東京大学大学院総合文化研究科の香西豊子氏には、「ドネーション」と一括して語られる、医学(教育・研究・臨床)のために「人体」を「提供」するという行為が、どのような歴史的背景をもち、またわれわれの現在の生にどのように迫ってきているのかを、献体や献血の事例をとおして考察して頂きます。