生物学史研究会(日本科学史学会生物学史分科会主催)
生物学史研究会のご案内
研究会はどなたでもご参加いただけます。お誘いあわせの上、お気軽においで下さい。
研究会の案内は、ご希望の方に電子メールでお知らせしております。ご希望の方は、告知用のgoogleグループ(http://bit.ly/kKkaqu)に登録していただくか(googleのアカウントが必要)、研究会係の奥村大介okumuradaisuke1884@gmail.com、川端美季mikikwbt@gmail.com、森下直紀ciel.azure@gmail.com、中尾暁nakaogyo@gmail.com、多門伸江nobue-tamon@g.ecc.u-tokyo.ac.jp、廣野喜幸yoshiyuki.hirono@gmail.com、佐藤桃子sato.momoco@gmail.com、菊地茉南mana.kikuchi4308@gmail.comのいずれかにご連絡ください。
以下は最新の研究会情報になります。
- 9月14日(日)開催の生物学史研究会について、ご案内申し上げます。
- 参加を希望される方は、お手数ですが事前にこちらのフォームからご登録ください。
- https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfDidJUs0WMprKNx34-WI3Y83dRfuodTrm6Y896CWkW2zv2iA/viewform?usp=dialog
- 発表:山銅康弘氏(東京大学大学院総合文化研究科博士課程)「再現性の「危機」再考:認識論的意味と受容のメカニズム 」
- コメンテーター: 平石界氏(慶應義塾大学)
- 日時:2025年9月14日(日)15:00〜17:00
- 開催形式:対面とオンライン(Zoom)のハイブリッド形式
- 場所:東京大学駒場キャンパス14号館3階308号室(※京王井の頭線「駒場東大前」駅下車、渋谷寄り改札を出て正面手前に構内案内板があります。)http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_13_j.html
- 《オンライン》Zoomのリンクは、上記のフォームから参加登録していただいた方に後ほどメールでお知らせいたします。
- 【発表概要】
元の研究結果の再現に失敗するという「再現性の危機」が、心理学を筆頭に叫ばれてから久しい。「危機」というフレーズは再現性にとどまらず、再現性が得られないことの根本要因として「測定の危機」「理論の危機」「実用性の危機」などにも用いられ、百花繚乱のごとく乱立している。ここまで問題が山積みだとすると、これは心理学をはじめとした一部の学問が多くの観点から科学として異常であることを意味しているのだろうか。しかしどのような学問であっても、各領域において改善(あるいは発展)の余地があるのは科学の一般的な構造であろう。科学哲学的には、科学者たちが「危機」と呼ぶ事態について慎重に見極める必要がある。そこで本発表では再現性が得られないことが果たして何を意味するのかを科学哲学の観点から分析し、一体何が科学としての性質を揺るがすほどの「危機」であるのかを明らかにする。その導き手として、理論と観察という伝統的な二項対立を批判し、データ/現象/理論という三項関係で科学のプロセスを捉えることの重要性を指摘したBogenとWoodwardの議論を参照する。これにより再現性が得られないことの認識論的な問題点が整理されるだけでなく、なぜこれらの問題が科学者によって「危機」として受容されるのかという、科学技術社会論的メカニズムの解明の糸口となることを示したい。
- 【参考文献】
山田, 祐樹 (2021).「『心理学の将来』の将来から見る心理学の将来」『認知科学』,28(3),419-423.
Bogen, J., & Woodward, J. (1988). Saving the Phenomena. The Philosophical Review, 97(3), 303-352.
Woodward, J. (1989). Data and Phenomena. Synthese, 79(3), 393-472.
- ※ 生物学史分科会の会員に限らず、どなたでもご参加いただけます。参加無料です。
- ※ 予定に変更等が生じた場合は、ご登録されたメールアドレスに連絡させていただきます。
- 問い合わせ:生物学史研究会係 菊地茉南(mana.kikuchi4308@gmail.com)