2012年 生物学史研究会
- 中川保雄『<増補>放射線被曝の歴史ーアメリカ原爆開発から福島原発事故まで』合評会ー放射線被曝の歴史をどう読み書くか
- 日時:2月11日(土・祝) 15時〜17時45分
- 場所:東京大学駒場キャンパス14号館3階308号室(※京王井の頭線「駒場東大前」駅下車、渋谷寄り改札を出て正面手前に構内案内板があります。)http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_13_j.html
- コメント
上田昌文さん(市民科学研究室・低線量被曝研究会)
高橋博子さん(広島市立大学広島平和研究所・アメリカ史)
瀬戸口明久さん(大阪市立大学・生物学史)
- 福島第一原子力発電所の事故以来、低線量被曝の問題は私たちにとって切実なものとなっています。低線量被曝の問題が注目されるなかで、放射線被曝の歴史もまた見直されています。そうした中、放射線被曝の基準がどのように作られたのか、その政治性を暴いた中川保雄氏の『増補・放射線被曝の歴史』が復刊されました。放射線被曝の歴史は、科学的に決着のつかない科学をめぐる政治の歴史であり、被曝を強いられてきた人たちの受難の歴史であります。このような現代的で論争的な歴史を私たちはどのように記述することができるでしょうか。合評会では中川氏の著書を紐解きながら、放射線被曝の歴史をどう読み書くかを議論したいと思います。
- 合評会には、本書を読んだ上でご参加ください。準備の都合により、以下のフォームから事前に申し込みいただけたら幸いです。特に議論したい点がある方は、コメント欄にご記入ください。当日コメントをお願いするかもしれません。
- https://docs.google.com/spreadsheet/viewform?formkey=dDhrTElGVlhGemVhbXlqNDFxNTRnZHc6MA
- 近代における医療・福祉・障害者−−日本・イギリスを事例として−−
- 今回の生物学史研究会は木下知威さんと高林陽展さんをお招きし、「近代における医療・福祉・障害者」というテーマで、それぞれ日本・イギリスを事例にお話しいただきます。
- なお、当日の情報保障として、手話通訳士による同時通訳が行われます。
- 研究会・懇親会ともに会員・非会員にかかわらずどなたでも参加可能ですので、みなさまふるってご参加ください。
- 日時:3月24日(土) 午後3:00〜6:00
- 場所:東京大学駒場キャンパス14号館3階308号室(※京王井の頭線「駒場東大前」駅下車、渋谷寄り改札を出て正面手前に構内案内板があります。)http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_13_j.html
- 情報保障:手話通訳
- 発表者:
- 木下知威「盲唖のプリズム――京都盲唖院の方法」(日本社会事業大学/建築計画学・日本建築史)
- 高林陽展「20世紀イギリス精神医療の総合的理解に向けて」(東洋大学国際共生社会研究センター/西洋医療史)
- タイムスケジュール:
15:00-15:05 はじめに:研究会テーマの説明
15:05-15:50 発表1:木下知威
15:50-16:00 休憩
16:00-16:45 発表2:高林陽展
16:45-16:55 休憩
16:55-17:15 ディスカッション1:発表者へのコメント・リプライ
17:15-18:00 ディスカッション2:フロアからのコメント・質疑応答
*研究会終了後、18:30から懇親会を行います。会費は3000円前後を予定しています。
- 木下知威「盲唖のプリズム――京都盲唖院の方法」
- [木下/要旨]
明治維新による政治と社会の大きな変革は多様な現象を生み出しましたが、現代でいう身体障害者にはどのような現象が起こったのでしょうか。これを考えるとき、明治11年に創立した日本初の盲学校・聾学校である京都盲唖院を外すことはできないでしょう。そこで、本発表では、京都盲唖院というほとんど忘られたプリズムに光をあて、失われたイメージを現在に甦らせるのがねらいです。プロセスとしては、既往研究および京都盲唖院に関する一次資料、幕末・明治初期の京都の状況について解説しつつ、(1)京都に日本で初めての盲唖院が成立した理由、(2)建築が公家住宅から移された要因・特徴、(3)盲唖教育の理念と実態、(4)盲、聾、唖の入学生たちの特性についての4点を意識しながら発表したいと考えています。文書/新聞/写真/図面などの一次資料をもとに、広汎に、時には鋭角的に照射させることで、京都盲唖院の像を結びなおしたいと考えています。
- [木下/参考文献]
(1) 中野善達・加藤康昭『わが国特殊教育の成立』東峰書房、1968年。
(2) 京都府教育委員会『京都府盲聾教育百年史』京都府教育委員会、1978年。
(3) 西田美昭「盲聾教育形成期における就学保障の展開――京都盲唖院の「発展」と「挫折」」『社會科學研究』37(4)、1985年、205-249頁。http://ci.nii.ac.jp/naid/110000464328
(4) 岡本稲丸『近代盲聾教育の成立と発展―古河太四郎の生涯から』日本放送出版協会、1997年。
(5) 木下知威「京都盲唖院における空間構成と教育プログラムに関する研究 -明治期の京都盲唖院における建築設計図面、エスキス、関連資料から」『日本建築学会計画系論文集』75(647)、2010年、25-34頁。http://www.tmtkknst.com/archives.htm
(6) 木下知威「待賢小学校いん唖教場と京都盲唖院に関する資料分析――京都府立盲学校と京都市学校歴史資料館所蔵の明治期資料から」『日本建築学会計画系論文集』75(651)、2010年、1025-1034頁。http://www.tmtkknst.com/archives.htm
- [木下/出版物]
(1)「盲・聾の空間――京都盲唖院の形成過程」(博士論文)
- [木下/研究者情報HPなど]
(1) http://researchmap.jp/tomotake/
(2) http://www.tmtkknst.com/
- 高林陽展「20世紀イギリス精神医療の総合的理解に向けて」
- [高林/要旨]
本報告は、20世紀イギリスにおける精神医療を総合的に理解するために、既存の理論を整理し、実証的成果と突き合わせた見取り図 (モデル)を提示することを目的とするものです。前者については、ミシェル・フーコーによる「狂気の歴史」論、ジョン・ピクストンの国家医療類型論、アンドリュー・アボットの専門職化論等を取り上げ、それぞれの参照価値について説明します。他方で後者については、上述の理論に自身の実証的な成果を加えて提示します。本報告は以上から、国家医療の興隆、専門職化の進展、狂気表象と消費文化の変容が20世紀イギリスにおける精神医療の形成において重要な役割を果たしていたことを論じ、その歴史像を可能な限り総合的に提示することを目指します。
- [高林/参考文献]
(1) 高林陽展「精神衛生思想の構築――二〇世紀初 頭イングランドにおける早期治療言説と専門家利害」『史学雑誌』120(4)、2011年、1-35頁。
- [高林/出版物]
(1) The Political Economy of English Psychiatry in the Early Twentieth Century, Unpublished Ph.D. Dissertation, University College London, 2008.
(2) 「第一次世界大戦期イングランドにおける戦争神経症――近代社会における社会的包摂/排除のポリティクス」『西洋史学』239、2011年、41-60頁。
(3) 「精神医療専門職の再検討――20世紀初頭イングランドにおける精神科医の職業構造を中心に」 『精神医学史研究』Vol.15-1・15-2合併号、2011年、72-80頁。
- [高林/研究者情報HPなど]
(1) http://researchmap.jp/read0145051
- 今回の生物学史研究会は、高江可奈子さん、高橋さきのさんをお招きし、「人間・環境・技術をめぐる哲学」というテーマで研究報告を行っていただきます。研究会・懇親会ともに会員・非会員にかかわらずどなたでも参加可能ですので、みなさまふるってご参加ください。
- なお、会場の準備のため、可能な方は生物学史研究会参加申込フォーム(http://goo.gl/mXc80)より事前にお申し込みいただけると幸いです。
- 【日時】6月30日(土) 午後3:00〜6:00
- 【場所】東京大学駒場キャンパス14号館3階308号室(※京王井の頭線「駒場東大前」駅下車、渋谷寄り改札を出て正面手前に構内案内板があります。)http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_13_j.html
- *事前申し込み人数によっては会場が変更となる場合がございます。
- 【発表者】
- 高江可奈子「自然の内在的価値を巡る議論の再考――環境倫理学の新たな展開に向けて」(東京大学大学院科学史・科学哲学研究室 博士課程)
- 高橋さきの「インタフェースとしての「からだ」――ハラウェイの「サイボーグ宣言」から四半世紀を経て」(日本科学史学会生物学史分科会、翻訳者、お茶の水女子大学非常勤講師)
- * * * * * *
- 高江可奈子「自然の内在的価値を巡る議論の再考――環境倫理学の新たな展開に向けて」
- [要旨]
- 環境倫理学とは、自然保護や環境保全の重要性が認識され始めた1970年代以降、アメリカを中心に発展してきた応用倫理学の一分野です。環境倫理学者たちの多くは当初、利潤を追い求める経済的価値とは異なる形で自然保護を動機づけようと、自然固有に内在する価値【内在的価値論】を主張してきました。しかし、90年代に入ると、この立場は、「自然と人間の二項対立図式を前提としており、環境問題の解決をむしろ妨げている」と批判されるようになります。以上の流れに対し、本発表では、自然の内在的価値論が単に自然と人間の二項対立図式に基づいた議論としては片付けられない点を論じていきます。そして、内在的価値論の再考を通して、環境・生命・技術をつなぐ新たな応用倫理学の可能性を示したいと思います。
- [参考文献]
- (1)Lee, Keekok (1999). The Natural and the Artefactual. Oxford and New
York: Lexington Books.
- (2)O'Neill, J.( 2009). “The Varieties of Intrinsic Value”. In Light, A and
Rolston III, H. eds., Environmental Ethics. Blackwell Publishing: 131-42.
- (3)Preston, C. J. (2008). “Synthetic Biology: Drawing a Line in Darwin’s
Sand”. Environmental Values, 17: 23-39.
- (4)Skakoon, E. (2008). “Nature and Human Identity”. Environmental Ethics,
30 (1): 37-49.
- (5)金森修 (2005)『遺伝子改造』、勁草書房.
- (6)マイケル・サンデル(2010)『完全な人間を目指さなくてもよい理由』林芳徳(他)訳、ナカニシヤ出版.
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- 高橋さきの「インタフェースとしての「からだ」――ハラウェイの「サイボーグ宣言」から四半世紀を経て」
- [要旨]
- ダナ・ハラウェイが『サイボーグ宣言』でサイボーグという状況を提起して四半世紀余。その後の状況を確認しつつ、言語的・非言語的インタフェースとしての「からだ」について検討します。まず、《自然・環境と人間》というインタフェースについて、具体的事例をもとに、これが予定調和ではなく技術との荒々しいせめぎあいの結果としての均衡であることを確認し、自然環境を、「技術の余事象としての自然」に代表されるようなアプリオリの存在として扱う二元論的議論では、男性と女性を自然と文化に配当する議論が醸成されがちであった点についても指摘し、3.11以降の議論についても検討したいと思います。
- 《マシンと人間》というインタフェースについては、自然環境よりは技術が濃密に存在する「サイボーグ状況」の現状について検討し、ハラウェイが『サイボーグ宣言』で提起したプラットホームの有効性と広がりについて再確認したいと思います。
- [参考文献]
- (1)ダナ・ハラウェイ『猿と女とサイボーグ――自然の再発明』高橋さきの訳、青土社、2000.
- (2)高橋さきの「フェミニズムと科学技術―生物学的言説の解体に向けて」江原由美子編『フェミニズム論争――70年代から90年代へ』、勁草書房 pp.145-176、1990.
- (3)高橋さきの「サイボーグ状況下の身体性――テクノバイオポリティクスという方法論」『現代思想』Vol.22-10, pp. 226-240、1994.
- (4)高橋さきの「身体性とフェミニズム」江原由美子・山崎敬一編『ジェンダーと社会理論』、有斐閣、pp.138-152、2006.
- (5)高橋さきの「The Personal is Political」再考――:生物学の現代化と「からだ」という現場の確立」日本科学史学会生物学史分科会『生物学史研究』No.79、2007.
(6)高橋さきの「性差をめぐる言説の大転換」桑原雅子・川野祐二編『(新通史)日本の科学技術――世紀末転換期の社会史1995年〜2011年 第3巻』、原書房、pp.388-408、2011.
- 今回の生物学史研究会は、土屋敦さん、沢山美果子さんをお招きし、
「いのちの歴史学に向けて――胎児・赤子・捨て子のいのちの近世と現代」
というテーマで、それぞれ戦後の日本、近世の日本を事例にお話しいただきます。
研究会・懇親会ともに会員・非会員にかかわらずどなたでも参加可能ですので、
みなさまふるってご参加ください。
- 日時:8月4日(土) 午後3:00〜6:00
- 場所:東京大学駒場キャンパス14号館3階308号室(※京王井の頭線「駒場東大前」駅下車、渋谷寄り改札を出て正面手前に構内案内板があります。)http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_13_j.html
- *事前申し込み人数によっては会場が変更となる場合がございます。
- 発表者・発表題目
- 土屋敦(東京大学 CBEL(生命・医療倫理教育研究センター)・特任助教)「敗戦後の戦災浮浪児、孤児・捨児の社会問題の形成と現在社会への道程」
- 沢山美果子(岡山大学大学院社会文化科学研究科・客員研究員/国立民族学博物館特別客員教員(教授))「乳からみた近世社会の胎児・赤子の「いのち」」
- タイムスケジュール
- 15:00-15:05 はじめに:発表者の紹介・研究会テーマ説明
- 15:05-15:50 発表1:土屋敦
- 15:50-16:35 発表2:沢山美果子
- 16:35-16:55 休憩
- 16:55-17:15 ディスカッション1:発表者間でのコメント・リプライ
- 17:15-18:00 ディスカッション2:フロアからのコメント・質疑応答
- *研究会終了後、18:30から懇親会を行います。会費は3000円前後を予定しています。
- 今回の生物学史研究会は、横山美和さん、松原洋子さんをお招きし、「ジェンダーと科学史」というテーマで開催いたします。横山さんはアメリカの医学を事例とした報告を、松原さんはジェンダーと科学史という研究トピックをふまえ、横山報告へのコメントをおこなっていただきます。
- 研究会・懇親会ともに会員・非会員にかかわらずどなたでも参加可能ですので、
みなさまふるってご参加ください。
- 【日時】9月22日(土・祝) 午後3:00〜6:00
- 場所:東京大学駒場キャンパス14号館3階308号室(※京王井の頭線「駒場東大前」駅下車、渋谷寄り改札を出て正面手前に構内案内板があります。)http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_13_j.html
- *事前申し込み人数によっては会場が変更となる場合がございます。
- 発表者・発表題目
- 横山美和(お茶の水女子大学大学院人間文化研究科ジェンダー学際研究専攻・博士課程)「女子高等教育における「月経」論争――クラークとジャコービーの栄養代謝論をめぐって」
- 松原洋子(立命館大学大学院先端総合学術研究科・教授)「<横山報告へのコメント>」
- 15:00-15:05 はじめに:発表者の紹介・研究会テーマ説明
- 15:05-15:50 発表:横山美和
- 15:50-16:15 コメント:松原洋子
- 16:15-16:35 休憩
- 16:35-16:45 ディスカッション1:横山によるリプライ
- 16:45-17:45 ディスカッション2:フロアからのコメント・質疑応答
- *研究会終了後、18:00から懇親会を行います。会費は3000円前後を予定しています。
- 横山美和「女子高等教育における「月経」論争――クラークとジャコービーの栄養代謝論をめぐって」
- [要旨]
19世紀後半のアメリカにおいて、女子高等教育に「月経」が与える影響についての議論が巻き起こっていた。共学反対主義者の元ハーヴァード大学医学部教授エドワード・クラーク(Edward H. Clarke,1820-1877)は、月経中の女性はエネルギーを生殖器に回すために安静にしなければならないため、男性と同じ高等教育を受けられないと主張した。それに対し、女性正規医師のパイオニアの一人である、メアリ・パトナム・ジャコービー(Mary
Putnam Jacobi,1846-1906)は、アンケート調査、理論的検討、実験観察を用いて、抵抗的な科学言説を生み出したことで知られる。先行研究においては、ジャコービーが実験観察によって「月経」にかんして何を明らかにしようとしたのか、また、それはいかなる科学史的文脈に位置するのか明確にされてこなかった。本発表では、19世紀の栄養代謝にかんする理解に関連させて、異なる観点から生み出される科学言説が、せめぎあいながらジェンダーを構築する様相を論じたい。
- [参考文献]
(1) Clarke, Edward H. 1874. Sex in Education; or, A Fair Chance for Girls.
Boston: James R. Osgood.
(2) Jacobi, Mary Putnam. 1877. The Question of Rest for Women during
Menstruation. New York: G.P. Putnam’s Sons.
- [著作文献リスト]
(1) 横山美和 2007a「19世紀後半アメリカにおける『女性』の構築と科学言説--E.クラークの女子高等教育論を中心に--」『F-GENSジャーナル』(お茶の水女子大学)第7号、273-279頁。(http://teapot.lib.ocha.ac.jp/ocha/handle/10083/3878)
(2) 横山美和 2007b「19世紀後半アメリカにおける『科学的』女子高等教育論争の展開」『F-GENSジャーナル』(お茶の水女子大学)第9号、145-152頁。(http://teapot.lib.ocha.ac.jp/ocha/handle/10083/3889)
(3) 横山美和 2012 「19世紀後半アメリカにおける「月経」をめぐる論争の展開--M. P.
ジャコービーの『月経中の女性の安静にかんする問題』を中心に--」『人間文化創成科学論叢』(お茶の水女子大学)第14巻、341-349頁。(http://teapot.lib.ocha.ac.jp/ocha/handle/10083/51668)
- 今回の生物学史研究会は「伝統産業と近現代科学の形成」というテーマで、ヴィクトリア・リーさんに報告を、古川安さんにコメントをおこなっていただきます。研究会・懇親会ともに会員・非会員にかかわらずどなたでも参加可能ですので、みなさまふるってご参加ください。なお、配付資料の準備のため、事前に申し込みフォーム(http://bit.ly/OxfWHO)よりご登録いただければ幸いです。
- 【日時】10月27日(土) 午後3:00〜6:00
- 場所:東京大学駒場キャンパス14号館3階308号室(※京王井の頭線「駒場東大前」駅下車、渋谷寄り改札を出て正面手前に構内案内板があります。)http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_13_j.html
- *事前申し込み人数によっては会場が変更となる場合がございます。
- 【発表者・発表題目】
- ヴィクトリア・リー(Ph.D. Candidate, History of Science, Princeton University/東洋文化研究所 訪問研究員)「在来産業と近現代科学の形成――1910年から1960年までの日本における発酵学と応用生命科学」
- 古川安(日本大学生物資源科学部・教授)「リー報告へのコメント」
- 【タイムスケジュール】
- 15:00-15:05 はじめに:発表者の紹介・研究会テーマ説明
- 15:05-15:50 発表:ヴィクトリア・リー
- 15:50-16:15 コメント:古川安
- 16:15-16:35 休憩
- 16:35-16:45 ディスカッション1:リーによるリプライ
- 16:45-17:45 ディスカッション2:フロアからのコメント・質疑応答
- *研究会終了後、18:00から懇親会を行います。会費は3000円前後を予定しています。
- 【参加申込・問い合わせ】
- 生物学史研究会係 藤本大士(東京大学大学院 修士課程)E-mail: hiro.fujimoto.n@gmail.com
- 生物学史研究会参加申し込みフォーム: http://bit.ly/OxfWHO
- *事前予約は不要ですが、配付資料準備のため、可能な方は申し込みフォームよりご登録いただくか、藤本までご連絡下さい。
- ヴィクトリア・リー「在来産業と近現代科学の形成――1910年から1960年までの日本における発酵学と応用生命科学」
- [要旨]
本報告は20世紀における日本の発酵学と、醸造、アルコール、抗生物質およびアミノ酸に関する産業との関係を検討します。一見工業的な領域のように思われる 発酵に関する知識と技術の科学的な内容の検討を通じて、個々の産業の枠を越える、日本のバイオインダストリーの強さの基盤にある繋がりを明らかにします。 それを通じて、伝統的知識がどのように日本の近代科学技術に影響を与えたのかについて考察します。問題意識の一部として「近代科学・技術」の発展史のなか で「周縁」として位置付けられる日本の科学史・技術史【科学技術史】は、どのように科学史・技術史そのものに新しい見解を与えられるかを再考します。そこで「科学」と「技術」の関係の検討が重要だと主張します。