微細藻類を用いた、バイオガス改質法の開発

 「微生物を活用した、下水汚泥の資源化技術に関する基盤研究」のところで、消化汚泥からバイオガスを生産できる微生物群集を説明しました。

しかし、バイオガスにはひとつ大きな弱点があります。それは、「メタンが60%+二酸化炭素が40%程度」の組成をしている点であり、天然ガス(メタン 90%以上)と比較すると、燃焼時の発熱量がおよそ4割引になります。二酸化炭素を除去できればメタンの濃度が高まり、バイオガスでも天然ガスに近い燃焼熱を得ることが可能です。

様々な分野でそのための技術が研究されていますが、本研究室では高濃度二酸化炭素に耐性をもつ好アルカリ性微細藻類を利用し、発生したバイオガスから二酸化炭素を光合成利用で除去し、再生エネルギーとして十分な発熱量を持つバイオガスへと変換する研究をしています。増殖した微細藻類は、食品や化粧品の原料、あるいは飼料の原料として利用できないか、も研究しています。