新規素材としての微生物粘性マトリクスの解析

 粘り気のある物質(粘性素材)は、吸水性や保湿性も併せ持つことが多いので、食品・化粧品・衛生用品・植物栽培など多方面での利用が期待されています。粘性素材は石油から低コストで製造できるものがありますが、化石資源の有限性や生分解の必要性などから、天然由来の粘性素材に注目が高まっています。

 身近な天然の粘性素材の例を挙げると、キサンタンガム(食品にも使われる増粘多糖類)やポリグルタミン酸(納豆の糸の主成分)があり、これらは微生物が生産しています。

 本研究室では、これまでに知られていない新しい粘性素材を見つけるために、環境から様々な微生物を探索し、それらが生産する粘性成分(粘性マトリクスとよびます)の生化学的解析を進め、医療や健康に利用できないかを検討しています。